マンション ベランダ ガーデニング 注意点
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マンションのベランダでガーデニングを楽しみたい! 注意点やレイアウトのポイントを解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • マンションのベランダで行うガーデニングには、四季を感じられたり、日除けや目隠しになったりするメリットがあります。
  • ベランダは共用部分であり、避難経路も兼ねているため、ガーデニングを行う際は管理規約の確認や、近隣住民への配慮が不可欠です。
  • マンションのベランダガーデニングには、多肉植物や観葉植物、ハーブなどの植物が向いています。

マンションのベランダは限られたスペースではあるものの、ガーデニングを楽しむ場所として活用する方が増えています。植物を育てることで、季節の移り変わりを感じたり、日々の暮らしに癒やしや彩りを取り入れたりすることができます。

ただし、ベランダは共用部分にあたるため、ガーデニングを行うには管理規約やルールを守ることが前提となります。

この記事では、ベランダガーデニングの魅力や注意点に加え、育てやすい植物の種類やおしゃれにレイアウトするコツについても紹介します。ベランダでガーデニングを始めたい方は、ぜひ参考にしてください。

マンションのベランダでもガーデニングを楽しめる!

マンションのベランダでガーデニングを始めると、暮らしの中に良い変化が生まれます。ここでは、ベランダガーデニングの主な魅力を3つ紹介します。

  • 四季が感じられる
  • 日除けや目隠しにもなる
  • 家庭菜園も可能

四季が感じられる

ベランダに植物があると、日々の暮らしの中で四季を感じることができます。

都会のマンションに住んでいると、季節の変化を感じる機会が少なくなりがちです。しかし、ベランダの空間に自然を取り入れるだけで、日々の生活に彩りと潤いが生まれます。

春に花が咲き誇り、夏には青々と葉が茂る様子から、季節の移ろいを感じられるでしょう。植物の成長を見守ることは、癒やしや安らぎにもつながります。

日除けや目隠しにもなる

ベランダで育てる植物は、日除けや目隠しとしても活用できます。

たとえば、ゴーヤやアサガオなどのつる性植物をネットに這わせて育てると、自然なグリーンカーテンをつくることができます。夏場の強い日差しを和らげ、室温の上昇を抑える効果も期待できます。

また、背丈のある植物や葉が密に茂る品種を育てることで、通行人や隣家からの視線を遮ることが可能です。カーテンを閉め切らずに、開放感を保ちながらプライバシーも確保できるのは、植物ならではの魅力といえます。

家庭菜園も可能

ベランダガーデニングでは、花だけでなく野菜やハーブの家庭菜園も楽しめます。プランターを使えば、ミニトマトやきゅうり、レタスといった様々な野菜を手軽に栽培できます。自分で育てた採れたての野菜を食卓で味わえるのは、大きな喜びです。

家庭菜園は、子どもがいる家庭にとっては食育の機会にもなります。植物が育つ過程を観察し、収穫の喜びを体験することで、食べ物への関心や感謝の気持ちを育むことにつながるでしょう。無農薬で育てるなど、安心して食べられる野菜を作れるのも魅力のひとつです。

・「ガーデニング」を含む物件一覧はこちら

マンションでガーデニングするときの注意点

マンションのベランダは、一見するとプライベートな空間に見えますが、建物全体に関わる「共用部分」にあたります。そのため、ガーデニングを行うにはマンション全体のルールに従う必要があります。

トラブルを避けるためにも、以下の注意点を押さえておきましょう。

  • ベランダやバルコニーは「共用部」
  • ベランダやバルコニーは避難経路でもある
  • 他の居住者の迷惑になりかねない植物は避ける
  • 排水管の詰まりに注意

ベランダやバルコニーは「共用部」

マンションのベランダやバルコニーは、専有部分ではなく「共用部分」にあたります。具体的には、専用使用権が設定されており、日常的に使用できるのは各住戸の居住者のみです。しかし、あくまで共用部分の一部であるため、管理規約に従う必要があります。

マンションによってはベランダでのガーデニングが禁止されているケースもあるため、まずは管理規約や使用細則を確認しましょう。プランターの数や重量に制限がないかなども把握しておきます。不明な点があれば、管理組合や管理会社に問い合わせることが大切です。

また、十数年ごとに行われる大規模修繕工事の際には、ベランダの私物を撤去する必要があることも覚えておきましょう。

ベランダやバルコニーは避難経路でもある

ベランダやバルコニーは、災害時における避難経路としての役割も担っています。

隣のベランダとの境にあるパーテーション(隔て板)は、非常時には蹴破って隣へ避難できる仕組みになっています。また、避難はしごが設置されているケースもあります。

ガーデニング用品でこれらの設備や経路を塞いでしまうと、いざという時に避難の妨げとなり危険です。隔て板や避難はしごの周りにプランターや棚などを置かないようにしましょう。

他の居住者の迷惑になりかねない植物は避ける

マンションでは、ガーデニングが原因でトラブルに発展するケースもあるため、他の居住者への配慮が不可欠です。

たとえば、枯れ葉や花粉、土などが風で飛ばされ、近隣のベランダの洗濯物を汚してしまうかもしれません。また、植物に付く害虫や、花の強い香りが迷惑になることも考えられます。

トラブルを未然に防ぐためには、植物選びにも配慮が必要です。花粉が飛散しやすい植物や、香りが強すぎる花は避けた方が無難でしょう。

排水管の詰まりに注意

ベランダでのガーデニングで気をつけたいのが、排水溝の詰まりです。水やりや雨によってプランターから流れ出た土や砂、枯れ葉などが排水溝に溜まると、水が流れにくくなります。

排水溝が詰まった状態で大雨が降ると、ベランダに水が溢れて室内に浸水したり、階下の住戸へ水漏れしたりする事故につながるおそれがあります。

このような事態を防ぐため、排水溝の周りを定期的に清掃し、落ち葉やゴミを取り除きましょう。また、プランターの鉢底に、土の流出を防ぐ鉢底ネットを敷くのも有効です。

マンションのベランダガーデニングに適している植物は?

マンションのベランダガーデニングに適している植物は

マンションのベランダは、日当たりや風通し、広さなどの条件が物件によって異なります。そのため、環境に合った植物を選ぶことが、ガーデニングを楽しむうえでの基本です。

ここでは、初心者でも育てやすく、ベランダガーデニングにおすすめの植物を紹介します。

  • 多肉植物
  • 観葉植物
  • ハーブ
  • 野菜

多肉植物

多肉植物は、葉や茎に水分を蓄えることができるため、乾燥に強く、水やりの手間が少ないのが特徴です。そのため、忙しい方やガーデニング初心者にもおすすめです。

ぷっくりとしたユニークな形や多彩な色合いがあり、小さな鉢でも楽しめるため、スペースの限られたベランダにも向いています。セダムやエケベリア、ハオルチアなど種類が豊富で、寄せ植えにして楽しむのもよいでしょう。

多くの多肉植物は日光を好みますが、種類によっては夏の強い直射日光で葉焼けを起こすこともあるため、日当たりに応じて置く場所を調整すると元気に育ちます。病害虫の心配が比較的少ない点も、ベランダで育てるうえでのメリットといえます。

観葉植物

観葉植物は、美しい葉の形や色、模様を楽しむ植物で、ベランダに緑のアクセントを加えられます。日陰に強い種類も多く、日当たりがあまり良くない北向きのベランダで育てられる植物もあります。ポトスやアイビー、オリヅルランなどは丈夫で育てやすく、初心者にも人気です。

大きな葉を持つモンステラや、スタイリッシュな樹形のオリーブなどを置くと、ベランダがおしゃれな空間になります。ただし、観葉植物の中には寒さに弱い種類もあるため、冬場は室内に取り込むなどの対策が必要な場合があります。

自分のベランダの環境や、手入れにかけられる時間を考慮して選ぶことが大切です。

ハーブ

ハーブは、料理やハーブティー、香りを楽しむなど、様々な活用法があるのが魅力です。ミントやバジル、ローズマリー、ラベンダーなどは比較的丈夫で育てやすく、ベランダガーデニングでも手軽に栽培できます。必要なときに少しだけ収穫して使えるので、家庭菜園としても人気があります。

さらにハーブの中には、虫が嫌う香りを放つものもあります。たとえば、ミント類はアブラムシを、バジルはコナジラミを遠ざける効果があるとされています。他の植物と一緒に植えることで、病害虫の発生を抑えやすくなるかもしれません。

野菜

ベランダで野菜を育てる家庭菜園は魅力的ですが、虫の発生には注意が必要です。特に、アブラナ科の野菜(キャベツやブロッコリーなど)や、実のなる野菜(トマトやナスなど)は、アブラムシやコナジラミといった害虫の被害に遭う傾向があります。

害虫の発生を防ぐためには、防虫ネットをかけるのが効果的です。また、風通しを良くして植物が蒸れないように管理することも大切です。

万が一害虫が発生してしまった場合は、牛乳スプレーや木酢液など、食品由来の成分でできた駆除剤を使って早めに対処しましょう。周囲の住戸に迷惑をかけないよう、害虫対策は徹底することが重要です。

狭いベランダでもおしゃれに! レイアウトのポイント

マンションのベランダはスペースが限られているものの、工夫次第でおしゃれな空間を作ることが可能です。

ただし、風で物が飛ばないように固定する、非常時にすぐに撤去できるようにする、避難経路を塞がないといった安全面への配慮を忘れないようにしましょう。

ここでは、狭いベランダを有効活用するレイアウトのコツを紹介します。

  • パネルでベランダの床もおしゃれに
  • 室外機カバーやシェルフでスペースを確保
  • 窓から見える場所を中心に考える
  • 物干しスペースも考慮する

パネルでベランダの床もおしゃれに

ベランダの印象を変える手軽な方法として、ウッドパネルやタイルパネルを床に敷く方法が挙げられます。パネルはジョイント式になっているものが多く、特別な工具を使わずに簡単に設置できるのが魅力です。

素材には、天然木のほか、耐久性や耐候性に優れた人工木、陶器製のタイルなど様々な種類があります。色やデザインも豊富なので、好みのテイストに合わせて選ぶとよいでしょう。

無機質なコンクリートの床面を覆うだけで、ベランダ全体がおしゃれな空間へと生まれ変わります。掃除のしやすさや水はけの良さも考慮して選ぶのがポイントです。

室外機カバーやシェルフでスペースを確保

ベランダの限られたスペースを有効活用するには、縦の空間を上手に使うことが重要です。エアコンの室外機の上はデッドスペースになりがちですが、専用の室外機カバーを設置すれば、その上に植物などを置くことができます。

また、壁際に背の高いシェルフやラティスパネルを置くのもおすすめです。複数のプランターを立体的に配置できるため、狭い面積でも多くの植物を育てることが可能になります。

ハンギングバスケットを吊るしたり、壁掛け式のプランターを使ったりするのも、空間を有効に使うテクニックのひとつです。

窓から見える場所を中心に考える

ベランダガーデニングをより楽しむためには、室内からの眺めを意識してレイアウトすることもポイントです。リビングや寝室の窓から見える場所に、お気に入りの植物やおしゃれな鉢を配置することで、部屋にいながら緑を楽しむことができます。

たとえば、窓の正面に背の高いシンボルツリー的な植物を置き、その周りに季節の花々を配置すると、絵画のような美しい景色が生まれます。夜には、ソーラーライトなどでライトアップするのも素敵です。

物干しスペースも考慮する

ベランダはガーデニングの場所であると同時に、洗濯物を干すスペースでもあります。レイアウトを考える際には、物干し竿を使うスペースや、洗濯物を取り込む際の動線を確保しておきましょう。

物干し竿の高さや位置を考慮し、洗濯物と植物が干渉しないようにプランターを配置します。キャスター付きのプランタースタンドなどを活用すれば、洗濯物を干すときだけ植物を移動させることも可能になります。

日常生活の利便性を下げないことが、ベランダガーデニングを楽しむうえでのポイントです。

まとめ

マンションのベランダで楽しむガーデニングは、季節の移ろいを感じられる趣味として人気があります。植物の緑は、見る人を癒やすだけでなく、直射日光をやわらげたり、目隠しとして活用できたりする実用性も兼ね備えています。

一方で、ベランダは共用部分であり、避難経路としての機能も持っています。安全性を確保しながら楽しむためには、事前に管理規約を確認し、近隣への配慮を忘れないことが大切です。

ベランダの環境に適した植物を選び、ウッドパネルやシェルフなどのアイテムを取り入れることで、限られたスペースでもおしゃれで快適なガーデニング空間をつくれるでしょう。ガーデニングを楽しめるマンションをお探しの際は、ぜひ東急リバブルへご相談ください。

・「ガーデニング」を含む物件一覧はこちら

この記事のポイント

マンションのベランダでもガーデニングは楽しめますか?

マンションのベランダでガーデニングを始めると、暮らしの中に良い変化が生まれます。

「マンションのベランダでもガーデニングを楽しめる!」では、ベランダガーデニングの主な魅力を3つ紹介します。

マンションでのガーデニングでの注意点はありますか?

マンションのベランダは、一見するとプライベートな空間に見えますが、建物全体に関わる「共用部分」にあたります。そのため、ガーデニングを行うにはマンション全体のルールに従う必要があります。

詳しくは「マンションでガーデニングするときの注意点」をご覧ください。

マンションでのガーデニングはどんな植物が適していますか?

マンションのベランダは、日当たりや風通し、広さなどの条件が物件によって異なります。そのため、環境に合った植物を選ぶことが、ガーデニングを楽しむうえでの基本です。

詳しくは「マンションのベランダガーデニングに適している植物は?」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

マンションでガーデニングを始める際には、重量制限にも注意しましょう。多くのマンションでは、ベランダの床の耐荷重が定められています。土や水は重量が大きく、大型プランターや多数の鉢を置くと、局所的に床の耐荷重を超えてしまう場合もあります。特に、人工軽量土壌は乾燥状態では軽いものの、保水性が高く、水を含むと重量が大幅に増加します。
物件を探す際には、不動産会社を通じてベランダの耐荷重を確認しておくと安心です。また、すでに住んでいるマンションでガーデニングを始める場合は、管理組合に問い合わせて確認しましょう。

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