ハイツ メリット デメリット
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ハイツとは? マンションとの違いやメリット&デメリットを解説

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • 「ハイツ」とは、主に軽量鉄骨造や木造の2階建てまたは3階建ての集合住宅を指す名称であり、法的な定義はありません。
  • ハイツ(アパート)とマンションの主な違いは、構造、階数、性能にあります。
  • 物件を選ぶ際は、名称だけで判断するのではなく、構造や設備、管理状態、周辺環境などを確認し、自身のライフスタイルに合うかを見極めることが重要です。

賃貸物件を探していると、「ハイツ」という名称を目にすることがあります。「アパート」や「マンション」とは何が違うのか、どのような特徴があるのかと疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

この記事では、「ハイツ」とはどのような建物を指すのか、その語源や他の集合住宅の名称との違いについて解説します。また、ハイツ(アパート)とマンションのメリット・デメリットや、物件選びの注意点もご紹介します。ご自身の希望に合った物件選びを進めるために、ぜひご覧ください。

ハイツとは賃貸物件によく見られる集合住宅

物件情報で見かける「ハイツ」という名称は、具体的にどのような建物を指すのでしょうか。ここでは、ハイツの基本的な意味合いと、集合住宅でよく使われる他の名称について解説します。

ハイツの語源

ハイツは、主に賃貸の集合住宅で使われる名称の一つです。その語源は英語の「heights」であり、「高台」や「丘」を意味します。

しかし、日本の不動産業界で使われる「ハイツ」は和製英語のようなもので、必ずしも高台に建っている物件を指すわけではありません。一般的には、プレハブ工法による軽量鉄骨造や木造の、2階建てまたは3階建ての共同住宅に対して用いられることが多いです。

ただし、法的な定義や明確な基準があるわけではなく、建物のイメージ戦略として大家さんや管理会社が名付けているケースがほとんどです。そのため、「ハイツ」という名称だけで建物の構造やグレードを判断することはできません。

ハイツ以外によく見られる集合住宅の名称

ハイツ以外にも、集合住宅には様々な名称が用いられます。「コーポ」「メゾン」「ヴィラ」「シャトー」などがその例です。これらはハイツと同様に、法的な定義や基準があるわけではありません。

「コーポ」は英語の「cooperative house(共同住宅)」を略した和製英語、「メゾン」はフランス語で「家・建物」、「ヴィラ」は郊外の別荘風の家、「シャトー」はフランス語で「城」を意味します。

また、「レジデンス」という名称もよく見られ、これは「邸宅」や「高級住宅」を意味し、比較的高級なマンションに使われることが多い傾向があります。しかし、いずれの名称も物件の雰囲気やイメージを演出するために付けられていることが多く、実際の建物のグレードを示すものではありません。

ハイツ(アパート)とマンションの違いは?

「ハイツ」は一般的にアパートを指すことが多い名称ですが、アパートとマンションの違いに法的な定義はありません。しかし、不動産業界では一般的に以下の違いによって区別されています。

  • 構造の違い
  • 階数の違い
  • 性能の違い

構造の違い

ハイツとマンションの大きな違いは、建物の構造です。ハイツを含むアパートは、主に木造(W造)や軽量鉄骨造(S造)で建てられています。

一方、マンションは鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、または鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で建てられるのが一般的です。構造の違いは、後述する遮音性や耐震性、耐火性といった建物の性能に大きく影響します。

ただし、最近では木造でも性能の高い物件が登場しており、一概に構造だけで優劣を決めることはできません。

階数の違い

建物の階数も、ハイツとマンションを区別する要素の一つとしてよく挙げられます。ハイツは、一般的に2階建てや3階建てといった低層の建物が多い傾向にあります。

一方、マンションは3階建て以上の集合住宅を指すことが多いです。特に鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションは、構造的に高層化しやすいため、タワーマンションのような数十階建ての建物も存在します。

性能の違い

構造や階数の違いから、ハイツとマンションでは建物の性能にも差が出ることがあります。

一般的に、木造や軽量鉄骨造のアパートは、鉄筋コンクリート造などのマンションに比べて遮音性が低い傾向にあります。壁や床が薄い場合、隣の部屋の生活音や上下階の足音が響きやすい可能性があります。

また、耐震性や耐火性といった面でも、頑丈な構造のマンションの方が優れていると考えられます。

ただし、建築基準法によりアパートも一定の耐震基準を満たす必要があり、近年は遮音性や断熱性を高めたアパートも増えています。

ハイツ(アパート)のメリット&デメリット

ハイツ(アパート)には、マンションとは異なる特徴があります。物件選びで後悔しないためには、それぞれの良い点と注意すべき点を理解しておくことが重要です。ここでは、まずハイツ(アパート)のメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット

  • 家賃や管理費が比較的安い
  • 物件数が多く選択肢が豊富
  • 通気性が良い場合がある

構造によってはカスタマイズしやすい

ハイツのメリットは、マンションに比べて家賃や管理費が低めに設定されていることが多い点です。建築コストが比較的安く、その分が家賃にも反映される傾向にあります。

また、アパートは供給数が多く、立地や間取りの選択肢が豊富なため、希望条件に合う物件を見つけやすいでしょう。木造建築の場合は、通気性が良く、湿気がこもりにくいという利点もあります。

さらに、壁にピンを刺しやすいなど、構造によってはマンションよりも内装のカスタマイズがしやすい場合もあります。

デメリット

  • 遮音性が低い傾向がある
  • セキュリティ面で不安がある場合も
  • 耐震性・耐火性がマンションに劣る場合がある
  • 断熱性が低く冷暖房効率が悪いことも

ハイツのデメリットとして挙げられるのが、遮音性の低さです。木造や軽量鉄骨造の場合、隣戸や上下階の生活音が響きやすい傾向があります。

また、オートロックや防犯カメラなどのセキュリティ設備がマンションほど充実していない物件も多く、防犯面で不安を感じるかもしれません。

耐震性や耐火性に関しても、RC造やSRC造のマンションに比べて劣る可能性があります。なかには断熱性が低い物件もあり、冷暖房の効率が悪く光熱費がかさむことも考えられます。

マンションのメリット&デメリット

マンション メリット デメリット

続いて、マンションの特徴について見ていきましょう。メリット・デメリットの両方を把握し、ハイツと比較検討することで、自分に合った住まいを選びやすくなります。

メリット

  • 遮音性・断熱性が高い傾向がある
  • セキュリティ設備が充実していることが多い
  • 耐震性・耐火性に優れている

共用設備が充実している場合がある

マンションの大きなメリットは、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)といった頑丈な構造により、遮音性や断熱性が高い傾向にあることです。

隣戸や上下階の音漏れが少なく、冷暖房効率も良いことが期待できます。また、オートロックや防犯カメラ、宅配ボックスといったセキュリティ設備や共用設備が充実している物件が多いのも魅力です。

耐震性や耐火性にも優れており、万が一の災害時にも比較的安心感があります。エレベーターが設置されていることが多く、上層階でも移動が楽な点もメリットといえるでしょう。

デメリット

  • 家賃や管理費・修繕積立金が高い傾向
  • 通気性が悪く結露しやすい場合がある
  • 上下階の音が響くことがある

大規模修繕の際に負担が生じることも

マンションのデメリットとしては、家賃や管理費、修繕積立金がアパートに比べて高めに設定されていることが挙げられます。

また、気密性が高い構造のため、換気が不十分だと湿気がこもりやすく、結露やカビが発生する可能性があります。遮音性が高いとされるマンションでも、子どもが走り回る音などの重量衝撃音は、下の階に響くことがあります。

分譲マンションの場合は、定期的に行われる大規模修繕の際に、一時的な費用負担や工事期間中の生活への影響が生じる可能性も考慮しておく必要があります。

賃貸アパート(ハイツ)の選び方

ハイツ(アパート)とマンションの違いを把握できたら、実際に賃貸アパートを選ぶ際に、どのような点に注目すればよいかを見ていきましょう。

ここでは、賃貸アパートの選び方のポイントを3つ紹介します。

  • 共用部もよくチェックする
  • セキュリティを確認する
  • 仕様・設備をヒアリングする

共用部もよくチェックする

賃貸アパート(ハイツ)を選ぶ際には、専有部分である室内だけでなく、共用部の状態も必ず確認しましょう。具体的には、エントランス、廊下、階段、ゴミ置き場などがきれいに清掃・管理されているかを見ます。

共用部が清潔に保たれているかは、管理体制の良し悪しを示す指標の一つです。ゴミ置き場が散らかっていたり、廊下に私物が放置されていたりする物件は、管理が行き届いていない、あるいは入居者のマナーに問題がある可能性が考えられます。

セキュリティを確認する

セキュリティ面の確認も、賃貸アパート(ハイツ)選びでは欠かせません。特に女性の一人暮らしや小さなお子さんがいる家庭では重要なポイントです。

オートロックや防犯カメラ、モニター付きインターホンといった設備の有無を確認しましょう。玄関ドアの鍵がピッキングに強い種類か、窓に補助錠が付いているかなどもチェックします。

また、建物の周辺環境も重要です。夜間の人通りや街灯の明るさ、近くに交番があるかなどを確認しておくと、より安心して暮らせるでしょう。

仕様・設備をヒアリングする

物件情報だけでは分からない建物の仕様や設備については、不動産会社の担当者に積極的にヒアリングしましょう。例えば、壁の構造や材質、インターネット回線の種類や速度、エアコンの有無や性能、給湯設備の方式などを確認します。

特に築年数が古い物件の場合は、リフォームや設備の更新状況を確認することが重要です。また、プロパンガスか都市ガスかによってガス代が大きく異なるため、事前に確認しておきましょう。

入居後の生活を具体的にイメージし、必要な設備が整っているか、不明な点は遠慮なく質問することが大切です。

まとめ

「ハイツ」は主に木造や軽量鉄骨造の2~3階建て集合住宅を指す名称ですが、法的な定義はなく、実際には様々なタイプの建物に使われています。名称に惑わされず、建物の構造や設備、管理状態などをしっかりと確認することが重要です。

一般的にハイツ(アパート)は家賃が手頃な一方、遮音性やセキュリティ面でマンションに劣る場合があります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のライフスタイルに合わせて物件を選ぶことが大切です。

希望条件に合う物件を見つけるためには、信頼できる不動産会社に相談するのも有効です。東急リバブルでは、豊富な物件情報と専門知識をもとに、お客様のニーズに合わせ、住まい探しをサポートいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

この記事のポイント

ハイツとはどのような建物ですか?

ハイツは、主に賃貸の集合住宅で使われる名称の一つです。その語源は英語の「heights」であり、「高台」や「丘」を意味します。

詳しくは「ハイツとは賃貸物件によく見られる集合住宅」をご覧ください。

ハイツとマンションの違いはなんですか?

「ハイツ」は一般的にアパートを指すことが多い名称ですが、アパートとマンションの違いに法的な定義はありません。

詳しくは「ハイツ(アパート)とマンションの違いは?」をご覧ください。

賃貸アパート(ハイツ)の選び方を教えてください。

ハイツ(アパート)とマンションの違いを把握できたら、実際に賃貸アパートを選ぶ際に、どのような点に注目すればよいかを見ていきましょう。

詳しくは「賃貸アパート(ハイツ)の選び方」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

物件情報で「ハイツ」という名称を見かけた際、それが必ずしも軽量鉄骨造や木造のアパートを意味するとは限りません。なかには鉄筋コンクリート造の建物にハイツと名付けられるケースもあります。名称はあくまでイメージであり、建物の実態を表すものではないことを覚えておきましょう。また、実際の住み心地を知るために、内見時には壁を軽く叩いて音の響き方を確認したり、可能であれば隣や上下階の住人の生活音がどの程度聞こえるかを確認したりするといいでしょう。

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