ベランダ プール
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マンションのベランダでプールはできる?非常識にならないために守りたいルール

執筆者プロフィール

悠木まちゃ
宅地建物取引士

ライター・編集者。ハウスメーカー勤務時に、新築戸建て住宅のほか、事務所建築や賃貸アパートの営業・設計を経験。
その後、2019年よりフリーライター・編集者として活動を開始。実務経験を活かし、不動産・金融系を中心に執筆から編集まで行う。ブックライターとしても活動するほか、ライター向けオンラインサロンの講師も担当している。

ざっくり要約!

  • マンションのベランダでプール遊びができるかどうかの判断基準は、マンションごとに異なる。
  • ベランダでプール遊びをさせる場合は、子どもの声や排水方法、子どもの安全性などに配慮することが大切。
  • プール遊び以外にも、多くのマンションではベランダでの喫煙やバーベキューは禁止されており、ガーデニングについても注意が必要。

夏の暑い日、マンションのベランダで子どもたちがプール遊びする様子は微笑ましい光景です。しかし、実は、マンションベランダでのプール遊びは、思わぬトラブルの元になることもあります。

ベランダでプール遊びをしてもいいのか、する場合はどのような点に注意すべきかを解説します。

併せてプール以外で避けるべき行為についても知ることで、安全で快適なマンションライフを送れるはずです。

マンションのベランダやバルコニーは「共用部」にあたる

マンションのベランダやバルコニーは、一見すると個々の住戸に属している「専用部」のように感じられます。

しかしベランダやバルコニーは、マンション全体の構造上、全住民の共有財産として管理されているため、「共用部」に分類されています。

「共用部」とは

「共用部」とは、マンションにおいて全住民が共有する部分を指します。

共用部には、エントランスホール、廊下、階段、エレベーター、屋上などに加え、ベランダやバルコニーも含まれます。

一方、ベランダやバルコニーは「専用使用部分」とも呼ばれ、特定の住戸に「専用使用権」が与えられています。

「専用使用権」とは

「専用使用権」とは、特定の住戸の住人が、マンションの共用部であるベランダやバルコニーを自己の用途で使用できる権利を指します。

この権利は、マンションの管理規約や使用細則に定められており、住人はこれらの規約や細則に従って、ベランダやバルコニーを使用する必要があります。

例えば、「マンション標準管理規約」では、専用使用権を持つ住人が、自身の責任と負担においてバルコニーなどの管理をするよう定められています。

しかし、これらの規約や細則には、ベランダやバルコニーでのプール遊びを明示的に禁止しているものは多くありません。つまりベランダでプール遊びをしたい場合は、管理規約や使用細則を慎重に確認し、必要に応じて管理員や管理会社、大家さんなどに相談したほうが安心ということです。

ベランダでプールができるかどうかはマンション次第

マンションでプール遊びをしてもいいかどうかは、マンションによって対応が異なります。

一部のマンションでは明確に禁止されている場合もあれば、禁止されていない場合もあります。

しかし多くの場合、プール遊び自体が直接禁止されているわけではなく、住民の常識やマナーに委ねられているのが現状です。

ベランダでプールをする際の注意点

ベランダで子どもたちにプール遊びをさせたい場合は、いくつか注意すべき点があります。

騒音トラブルにならないようにする

元気な子どもたちの声は、近隣住民にとっては騒音に感じられるとなることもあります。特に、昨今はリモートワークをしている家庭が増えたことで、日中でも静かな環境を求める人が多い傾向にあります。

子どもたちには大きな声を出さないように教え、近隣住民への配慮を忘れないようにすることが大切です。

避難ハッチの上にプールを置かない

洗濯物を干したり趣味のスペースに使ったりと、さまざまな用途で利用されるベランダですが、災害時の避難経路としての役割も持っています。

特に避難ハッチの上にプールを設置すると、プールの水が避難ハッチに入り込み、ハッチが錆びる原因になります。また重さが加わることで、避難ハッチのふたが歪んで開かなくなる可能性も。

ベランダでプール遊びをする場合は、避難ハッチの上にかぶらないように注意しましょう。

一度に大量の水を排水しない

プールを片づける際には、一度に大量の水をベランダやバルコニーの排水溝に流さないようにしましょう。

排水溝は基本的に雨水の排水のために設けられており、大量の水を流すことは想定していません。

プールの水を一気に流してしまうと、隣のベランダや下の階に水が漏れる可能性もあるため、バケツなどを使って少しずつ排水することが重要です。

子どもから目を離さない

ベランダやバルコニーで子供たちにプール遊びをさせる場合は、大人が常に監視する必要があります。

特に高層階のマンションでは、転落事故のリスクがあるため、子どもから目を離さないようにしましょう。

たとえ水が少なくても溺れるリスクはあるため、常に見守っておくことが重要です。

遊び終わったらすぐに片付ける

プール遊びが終わったら、すぐにプールを片付けましょう。

プールをベランダやバルコニーに放置すると、風で飛ばされるリスクや、子どもがプールを踏み台にして柵を乗り越えるリスクがあります。

また、プールを放置することは、ベランダやバルコニーの美観を損ねることにもなりかねません。

夏休みの間は使用頻度が高く、毎回片づけるのを面倒に感じるかもしれませんが、ベランダやバルコニーがあくまでも共用部であることを忘れないようにしましょう。

マンションのベランダでNGな行為

マンション ベランダ 禁止

マンションのベランダは共用部であるという理由から、ビニールプールの使用のほかにも禁止行為があります。

喫煙

ベランダでの喫煙は、周囲の部屋に煙や臭いが流れ込むことがあり、健康被害や臭いによってトラブルに発展する可能性があります。

特に、隣接するベランダや下階の住民にとっては、タバコの煙や臭いが大きな迷惑となることが多いです。

喫煙による火の取り扱いも問題となるため、ベランダでの喫煙は避けるべきです。

バーベキューや花火

バーベキューや花火は、火気を扱う行為であり、マンションのベランダでは厳禁です。これらの行為は、煙や臭い、騒音だけでなく、火災のリスクも伴います。

特に、バーベキューは大きな声で話したり騒いだりすることが多く、周囲の住民に大きな迷惑をかける可能性があります。また、花火は火災のリスクだけでなく、火の粉が隣のベランダや下階に落ちる危険もあります。

過度なガーデニング

ガーデニングはベランダを彩る素敵な趣味ですが、行き過ぎたガーデニングはトラブルの元になることがあります。

枯れ葉や土が排水口に詰まると、大雨が降った際にあふれた雨水が下階に流れ落ちることがあります。また、育てている植物から虫が発生し、周囲の住戸に迷惑をかける可能性も。

小さな鉢植えやプランター程度なら問題ありませんが、高層マンションでは植物を置くこと自体が禁止されている場合もあるため注意が必要です。

まとめ

マンションのベランダでのプール遊びは、マンションの管理規約で明確に禁止されているケースは多くありません。

しかし子どもたちの声や排水の仕方によっては、近隣住民とトラブルになることも考えられます。

ベランダがあくまでもマンションの共用部であることを忘れないようにし、周囲に配慮しながら使用することが重要です。

この記事のポイント

マンションのベランダで子どもたちにプール遊びをさせてもいいですか?

ベランダでビニールプールを使用できるかは、マンションごとに判断基準が異なります。

詳しくは「ベランダでプールができるかどうかはマンション次第」をご覧ください。

ベランダでプールを使用する際の注意点はありますか?

子どもたちに大きな声を出さないように教える、水を捨てる際は少しずつ流すなど、いくつか注意すべき点があります。

詳しくは「ベランダでプールをする際の注意点」をご覧ください。

マンションのベランダで、プール以外に禁止されていることはある?

火を扱う煙草・バーベキュー・花火はほとんどのマンションで禁止されています。

詳しくは「その他マンションのベランダでNGな行為」をご覧ください。

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