リクルートが首都圏居住者1万人を対象に実施した「SUUMO住みたい街ランキング2025」では、前年に続き、TOP3は「横浜」駅、「大宮」駅、「吉祥寺」駅という結果になりました。上位の顔ぶれは大きく変わっていませんが、2025年は「立川」駅や「流山おおたかの森」駅など郊外エリアの躍進も目立ちます。
■SUUMO住みたい街ランキング2025首都圏版TOP20
| 1 | 横浜(1位) | 11 | 浦和(10位) |
| 2 | 大宮(2位) | 12 | 武蔵小杉(14位) |
| 3 | 吉祥寺(3位) | 13 | 鎌倉(12位) |
| 4 | 恵比寿(4位) | 14 | 船橋(17位) |
| 5 | 東京(9位) | 15 | 立川(22位) |
| 6 | 池袋(7位) | 16 | 流山おおたかの森(15位) |
| 7 | 新宿(5位) | 17 | 中野(18位) |
| 8 | 品川(8位) | 18 | 桜木町(19位) |
| 9 | 目黒(6位) | 19 | 柏(25位) |
| 10 | 渋谷(11位) | 10 | 中目黒(13位) |
※かっこ内は2024年の順位
「住みたい街」首位は8年連続で横浜

首位は、8年連続の首位獲得となった「横浜」駅です。支持層は男性、女性ともに40代が最も多く、2025年はシングル女性世帯と夫婦のみの共働き世帯の支持が伸びました。
横浜駅は、JR線・横浜市営地下鉄ブルーライン・東急東横線・京急本線・相模鉄道本線・横浜高速鉄道みなとみらい線の6社局が乗り入れる利便性の高い駅で、駅周辺では再開発も進んでいます。
コロナ禍以降、駅周辺に地上43階の大規模複合施設「THE YOKOHAMA FRONTO(ザ ヨコハマ フロント)」や約2万人を収容できる「Kアリーナ横浜」が開業。交通利便性が高いだけでなく、暮らしを豊かにする文化施設、娯楽施設、商業施設が豊富な点も、横浜駅が多くの人を惹きつける理由のひとつでしょう。
2023年には、日吉駅から新横浜駅を結ぶ東急新横浜線が開業しました。東急東横線は相鉄新横浜線と新横浜駅でつながり、神奈川県中央部、横浜西部、そして東京都心部が直結。近隣駅の利便性も飛躍的に向上しています。
2024年9月には、相鉄グループが「横浜駅西口大改造構想」を発表し、官民が一体となり、世界の人々から選ばれる国際競争力を持ったまちづくりを推進する意向を示しています。
■横浜駅西口大改造のロードマップ

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2位は近年のランクアップが目覚ましい大宮

住みたい街ランキング2位には、2024年に続き「大宮」駅がランクインしました。2018年の9位から徐々にランクアップし、現在は上位常連の駅となっています。大宮駅の支持層も40代が最も多いようですが、2025年は20代、30代女性の支持が伸びています。
「北の大宮、南の横浜」とも言われているように、大宮駅もJR線・東武鉄道・埼玉新都市交通の3社局が乗り入れる埼玉屈指のターミナル駅です。住みたい街ランキング2025には「浦和」駅もランクインしていますが、昨年から1ランクダウン。現在、浦和にあるさいたま市役所は、2031年度を目途に大宮に移転整備される予定になっています。
大宮駅周辺でも大規模再開発計画が進行中で、西口では総延床面積3万㎡を超える大型複合施設の開発が進められており、竣工は 2027年春を予定しています。また、東口では2028年度の工事完了を目指し、地上21階の複合施設の開発が進められています。
■2027年春竣工予定の大宮駅西口大型複合施設完成イメージ

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不動の人気! 吉祥寺が3位

3位にランクインしたのは、住みたい街ランキング常連の「吉祥寺」駅です。JR線と京王線が利用できる利便性の高さもさることながら、駅から至近距離に4万㎡以上にもおよぶ井の頭恩賜公園があるなど、自然豊かな点も大きな魅力のひとつです。
東急百貨店やPARCO、マルイなどの大型商業施設とともに、駅から伸びる全長約300mの「サンロード」や「ダイヤ街」、「ハモニカ横丁」といった商店街に並ぶおしゃれなカフェや古着屋、雑貨店などが毎日の暮らしを彩ります。
そんな吉祥寺駅でも再開発が進んでおり、2014年には駅改良事業が完了。駅舎全面の改修とともに、歩行者空間の整備によってバリアフリー化も実現しています。同じく2014年には駅ビルの建て替え工事も完了し、商業施設「キラリナ京王吉祥寺」が開業しました。
現在も、駅周辺の交通体系の改善や南口駅前広場の整備、パークエリアの将来像の立案などの構想が進められています。
■まちづくりの基本的な方針

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立川・流山など郊外エリアの躍進も目立つ
住みたい街ランキング2025では、郊外エリアの躍進も目立ちます。15位の「立川」駅は、前回22位から大きくランクアップ。「流山おおたかの森」駅は昨年から1ランクダウンですが、2021年までは30位以下でした。
こうした郊外エリアが躍進している理由には、各エリアの魅力が向上していることとともに、近年の不動産価格の高騰や物価高、そして暮らし方・働き方の多様化などが影響しているものと考えられます。
立川駅
立川駅は、主に女性の支持を多く集め、2025年は共働きの子育て世帯の支持が大きく伸びているようです。また、選んだ人の多くが「今後、町が発展しそう」ということを住みたい理由としています。
新宿駅から中央線で約30分という交通利便性の高さに加え、近年は駅周辺の再開発が進んでいます。2020年には、3万9,000㎡にもおよぶ大型複合施設「GREEN SPRINGS」が、立川駅北口の昭和記念公園に隣接するエリアにオープン。商業やオフィス、美術館や保育園などが配され、中央部分には約1万㎡の中央広場が設けられています。
立川駅にほど近い立川北駅を通る多摩都市モノレールは、上北台〜箱根ヶ崎までの延伸が計画されており、2025年5月に軌道事業特許を取得しました。2030年代半ばの開業を目指しています。
■多摩都市モノレール延伸位置図

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流山おおたかの森駅
流山おおたかの森駅には、つくばエクスプレスと東武野田線が乗り入れています。秋葉原駅とつくば駅を結ぶつくばエクスプレス沿線は、2005年開業の新しい鉄道で、沿線の駅は近年、利便性の良さや比較的、不動産価格や家賃が安いことなどから人気が高まっています。
とくに、流山おおたかの森駅が位置する流山市は子育て支援制度が充実していることもあって、2025年までの10年間で人口が約4万人増加しています。
■流山市 常住人口の推移

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まとめ
横浜駅や大宮駅のように、高い交通利便性と充実した施設が豊富な環境。吉祥寺駅のように、利便性と豊かな自然環境が融合したエリア。それぞれ異なり、それぞれの良さがあります。
近年は必ずしも都心への近さやアクセスの良さだけではなく、自治体の政策や住環境、コスパの良さなどを重視する傾向も強まっています。テレワークの普及や価値観の多様化によって「住む場所」の選択肢は広がりつつあるのかもしれません。

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