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ベランダがない家が増えている? メリット・デメリットや購入時に見るべきポイントを解説

執筆者プロフィール

高山みさと
インテリアコーディネーター

CADオペレーター・大手住宅設備メーカー勤務を経て、住宅ライターとして開業。インテリアコーディネーター資格保有。元キッチンスペシャリスト。家づくりやリフォームにおける難しい知識を分かりやすく伝えている。プライベートでは築20年の戸建て住まい。リフォームやDIYで家づくりを楽しんでいる。

ざっくり要約!

  • ライフスタイルの変化や建築コスト削減を理由に、ベランダのない家が増えている
  • ベランダがない家は、建築・維持コストが下がるだけでなく、雨漏りリスクも減る
  • ベランダのある家は、洗濯物や布団を天日干しできるのが魅力。建物の意匠性が向上しやすく、部屋が広く感じることもメリット

「最近、ベランダのない家をよく見かける」と思ったことはありませんか?
ベランダのない家は、建築費や維持費の削減、家事動線の変化などを背景に広がりを見せています。メリットは多くありますが、ベランダがなくても本当に後悔しないのか、気になるところではないでしょうか。

この記事では、ベランダがない家のメリットとともに、ベランダがある家のメリットについても解説します。ベランダがない家を検討する際のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ベランダがない家が増えている理由

一軒家といえば、ベランダが付いているのが一般的でしたが、ライフスタイルの変化や建築コスト削減などの理由から、ベランダを設置しないケースも増えています。

洗濯乾燥機の普及

従来は、ベランダや庭に洗濯物を干すのが一般的でしたが、ドラム式洗濯乾燥機が普及し、洗濯から乾燥まで洗濯機に任せる家庭が増えてきました。他にも、浴室乾燥機や除湿機で乾かす方法もあり、ライフスタイルに合わせて洗濯方法を選べる時代になっています。

また、共働き世帯が増え、夜に洗濯するご家庭も少なくありません。時間を選ばずに干せる室内干しや乾燥機のほうが都合が良く、結果的に「ベランダは不要」という考えに至るケースも多いようです。

建築コストの高騰

建築資材や人件費の高騰により、住宅の建築コストは年々上昇しています。
予算内で理想の家を建てるためには、優先順位を考えて設備や仕様を選ぶ必要があり、ベランダは予算削減の対象になる傾向があります。

維持・メンテナンスコストにもお金がかかる

ベランダは建築時の費用だけでなく、維持やメンテナンスにも費用がかかります。ベランダの防水層が失われると雨漏りのリスクが生じるため、定期的な防水工事が必要です。

ベランダのない家は長期的な維持費を削減できるとして、設置しないという選択をする人も増えています。

ベランダがない家のメリット

ベランダがない家は、単に建築コストを削減するだけでなく、掃除の手間がなくなったり、防犯性が向上したりといったメリットもあります。

建設・維持管理コストが下がる

ベランダのない家は、建築時の初期費用を抑えることができます。さらに、ベランダの防水層を維持するための防水工事や外壁まわりのメンテナンスも不要になるので、トータルで数十万円のコスト削減を見込めるでしょう。

初期費用もメンテナンス費用も削減できることが、ベランダがない家の大きなメリットです。

雨漏りのリスクも低減

ベランダは、建物の部位の中で雨漏りしやすい場所です。防水層の劣化や排水口の詰まり、ベランダ壁のひび割れなど、ベランダには雨漏りの原因になる箇所が多くあります。

ベランダのない家は、雨漏りの原因を多く排除できるので、雨漏りのリスクを低減することができます。

掃除の手間がない

ベランダは、鳥のフンや虫の死骸、花粉や砂ぼこりなどが蓄積しやすく、掃除に手間がかかる場所です。

ベランダがない家は、当然ながらベランダ掃除が不要になるので、家事の負担を減らせるというメリットがあります。

防犯性も向上

ベランダがある家は、不審者が住宅に侵入する際の経路になることがあります。足場が広く、手すりがあるベランダは要注意です。

また、壁に囲まれたベランダは死角にもなるので、不審者にとって好都合になるケースも。
ベランダのないシンプルな外観にすることで、防犯性を高めることができます。

ベランダがある家のメリット

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ベランダにはデメリットもありますが、屋外空間として有効に使えるスペースです。布団を干したり、室外機を置いたりすることが可能なので、ご家庭によっては重宝します。

布団やカーペットも干せる

ベランダの大きなメリットは、布団やカーペットなどの大物を干せることです。ベランダのない家では、布団やカーペットを干す場所を確保するのは難しいでしょう。

布団は、布団乾燥機で湿気を飛ばす方法もありますが、天日干しならではのふんわりとした暖かさを好む人も多くいます。

室外機を置くスペースが確保しやすい

ベランダは、エアコンの室外機を置く場所としても使えます。小さなことですが、意外と大きなメリットでもあります。

ベランダがない場合は、配管を延長して庭や通路に室外機を置くことになりますが、室外機が何台も並ぶ姿はあまり見映えがよくありません。
ベランダがあれば、その部屋の室外機はベランダに置くことができるので、庭まわりがスッキリします。

部屋が広く見える

ベランダがある部屋は、窓の外に開けた空間が広がるため、実際の床面積以上に広く感じられます。リビングにベランダが接している場合は、開放的で明るいリビングになるでしょう。

気軽に屋外空間を暮らしに取り入れられるのは、ベランダがある家ならではのメリットです。

ベランダがない家を検討するときのポイント

ベランダがない家を選ぶ際には、いくつか確認しておくべきポイントがあります。後悔しないためにも確認しておきましょう。

外観もチェック

ベランダがない家は、スッキリとして洗練された印象に見えることもありますが、外観に凹凸がないので、のっぺりとした印象を受けることもあります。

ベランダがない家を検討する際は、外観をよく見て、単調な印象を受けないか確認しましょう。ベランダがない家でも、外壁の色使いや屋根のデザイン、出窓などによってメリハリのある外観に見えることがあります。

ランドリールームや庭があると重宝する

ベランダがない家を選んで後悔するとすれば、布団や洗濯物を干す場所がないことでしょう。洗濯物や布団干しをどのようにするかは、事前に考えておく必要があります。

ベランダに代わって物干し場として使えるのが、ランドリールームです。ランドリールームがあれば、普段の洗濯物を干す場として重宝します。天井付けの室内物干しや換気設備があれば、より便利に使えるでしょう。

庭がある物件なら、物干し竿を設置して洗濯物を干すことができます。一定の広さがあれば、シーツやカーペットなどの大物を干すことも可能です。

ベランダの後付けが可能か確認する

今現在、ベランダに洗濯物を干すライフスタイルであれば、ベランダがない家を選ぶことに不安を感じるかもしれません。事前にベランダの後付けが可能か確認しておけば、そのような不安は払拭できるのではないでしょうか。

ただし、ベランダの後付けには条件があります。ベランダは外部空間ですが、建築基準法を遵守する必要がある場所です。一部緩和規定があるものの、建ぺい率や容積率の制限を守らなくてはなりません。

また、建築確認申請が必要になるケースもあるので、ベランダの後付けを想定している場合は、事前に条件を確認しておきましょう。

まとめ

ベランダのない家は、ライフスタイルの変化や建築コスト削減など、生活や意識の変化に伴い広がりを見せています。防犯性の向上や雨漏りリスクが低減することも魅力です。

一方、ベランダがある家は、洗濯物を大量に干せたり、布団干しができたりすることがメリットです。どちらにも良さがあり、どちらを選ぶべきかはライフスタイルや好みによって変わります。

ベランダがない家を検討する場合は、外観の印象や洗濯物を干す場所があるか確認しましょう。ベランダの後付けに対応できる物件だとより安心です。

この記事のポイント

最近ベランダのない家が増えているのはなぜでしょうか?

一軒家といえば、ベランダが付いているのが一般的でしたが、ライフスタイルの変化や建築コスト削減などの理由から、ベランダを設置しないケースも増えています。

詳しくは「ベランダがない家が増えている理由」をご覧ください。

ベランダがない家にはどのようなメリットがありますか?

ベランダがない家は、単に建築コストを削減するだけでなく、掃除の手間がなくなったり、防犯性が向上したりといったメリットもあります。

詳しくは「ベランダがない家のメリット」をご覧ください。

ベランダがある家のメリットはなんですか?

ベランダにはデメリットもありますが、屋外空間として有効に使えるスペースです。布団を干したり、室外機を置いたりすることが可能なので、ご家庭によっては重宝します。

詳しくは「ベランダがある家のメリット」をご覧ください。

ライターからのワンポイントアドバイス

ベランダの活用頻度は人によって大きく異なります。ベランダの必要性は、洗濯物や布団を外干ししたいと思うか否かが、ひとつの判断基準になります。
特に、今現在ベランダに洗濯物を干して活用している人は、ベランダがなくても後悔しないか、慎重に判断したほうが良いでしょう。
また、採光や通風を取りにくい住宅密集地の場合は、ベランダがあったとしても使いにくい可能性があります。住宅環境によっても、ベランダの活用頻度は変わってくるでしょう。

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