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カメムシが家の中で繁殖! 侵入・産卵・孵化を防ぐための対策

ざっくり要約!

  • カメムシは明るく暖かい場所、農作物を好む性質あり。屋外に干した洗濯物や室内灯、ガーデニングをきっかけに侵入するケースが多い
  • 室内に侵入してしまった場合は直接触らず、カメムシ専用の殺虫剤での駆除がおすすめ。
  • 手や衣服についてしまった臭いは、クレンジングオイルや界面活性剤入り洗剤で除去できる

住宅に関する問題のひとつに、害虫による被害があります。特にカメムシによる被害は多く、刺激的な悪臭に悩まされている方も少なくありません。
カメムシの被害を避けるには、適切に駆除するだけでなく家に寄せ付けなくすることも大切です。本記事では、カメムシの基本的な生態から、適切な駆除の方法について解説します。

カメムシとは?

カメムシは、独特な臭いと強い繁殖力が特徴の昆虫です。カメムシに関する問題を解決するためには、まずは基本的な生態について理解を深めることが大切です。

カメムシの種類

カメムシは、世界中に非常に多くの種類が生息しており、日本国内だけでも以下のような種類のカメムシが確認されています。

クサギカメムシ

体長13~20mm程度の比較的大型のカメムシです。茶色や黒褐色の細かいまだら模様が特徴であり、植物や果物の水分を好みます。また、平たい体形をしているため、家の中に侵入しやすい種類といわれています。

アオクサカメムシ

体長は12~16mm程度で、光沢のない緑や黄色の体を持ちます。野菜類や豆類など何でも食べる広食性であり、大量発生時には農作物に甚大な被害を与えることがあります。

マルカメムシ
名前の通り丸い形をしているカメムシです。体長は5mm程度と小ぶりですが、非常に強烈な臭いを放つのが特徴です。

ツヤアオカメムシ
見た目はアオクサカメムシに似ており、サイズもほぼ同等ですが、アオクサカメムシよりも光沢があります。夏場に栄養を蓄え、秋口に大量に繁殖するのが特徴です。

キマダラカメムシ
黒褐色に黄色のまだら模様が混じっている体が特徴的なカメムシです。広葉樹の汁が好みであり、公園や街路樹の付近に多く棲息します。体長は20mm超と、カメムシの中では大型に分類されます。

カメムシは、それぞれ体色や模様、好む植物、活動時期などが異なりますが、秋に越冬のために家屋に侵入する点は共通しています。多少の生態の違いはありますが、基本的な対策は共通しているため、まずは一般的な対策をしっかりと行うことが重要です。

臭いが強烈

カメムシの最大の特徴であり、最も厄介な点は強烈な臭いです。この臭いは、外敵から身を守るための防御手段であり、刺激を受けると腹部にある臭腺から悪臭を放つ成分を分泌します。
この臭い成分は、人によっては不快感を覚えるだけでなく、場合によってはアレルギー反応を引き起こす可能性もあります。特に小さなお子さんやペットがいるご家庭では、より一層の注意が必要です。また、洗濯物や布団などに付着すると臭いが取りにくいため、日常生活に支障をきたすこともあります。

繁殖力が高い

カメムシは、繁殖力が非常に高い昆虫としても知られています。メスは一度に数十個から数百個もの卵を産むうえ、孵化までの期間も比較的短いため、条件が揃えば短期間で大量発生することがあります。
特に、家の中はカメムシにとって越冬に適した暖かい環境であり、外敵も少ないため、繁殖には最適な場所です。一度侵入を許してしまうと、春先に孵化した幼虫が家の中で成長し、翌年には繁殖を繰り返すという悪循環に陥る可能性があります。

家の中でカメムシが繁殖してしまうのを防ぐには?

カメムシの繁殖を防ぐために必要なポイントは、まずはカメムシを家に入れないこと。そして、入ってきても家の中で卵を孵化させないことの2点です。これらのポイントをしっかりと意識しながら対策を行うことで、カメムシのいない快適な生活に近づけるでしょう。

家に入れない

カメムシの侵入を防ぐためには、侵入経路を重点的に対策することが効果的です。以下に紹介する侵入経路を把握し、それぞれに合った対策を行いましょう。

洗濯物
代表的なカメムシの侵入経路のひとつが洗濯物です。日当たりのいい場所に干された洗濯物は、暖かい場所を好むカメムシにとって絶好の居場所です。外に干している洗濯物に付着し、取り込む際に家の中に侵入してしまうケースが少なくありません。

洗濯物を取り込む際は、一枚一枚よく確認し、カメムシが付いていないか丁寧に払い落とすようにしましょう。また、可能であれば、カメムシの発生しやすい時期は、室内干しに切り替えることも検討しましょう。

照明
夜間、家の明かりに誘引されてカメムシが飛来することもあります。特に、玄関灯や窓の近くに集まりやすく、ドアや窓を開けた際に、気づかずに侵入してしまうことがあります。夜間は不要な照明を消したり、防虫効果のある照明器具を使用したりするなどの対策が有効です。

また、LED照明は、カメムシが反応しにくい波長の光を発するため、交換を検討するのもよいでしょう。

ガーデニング
庭木や家庭菜園の植物も、カメムシの餌となるため注意が必要です。カメムシは植物全般を好む傾向があり、中でも稲やかぼちゃ、豆類などの農作物が好物です。

ガーデニングで何らかの植物を育てるのであれば、防虫対策を行うか、カメムシが寄りつきにくい植物を選ぶなどの工夫をしましょう。特にミント系のハーブはカメムシ避けに効果的です。

間口の隙間
網戸や窓の隙間、換気口、エアコンの配管周り、壁のひび割れなど、わずかな隙間からもカメムシは侵入してきます。これらの隙間を徹底的に塞ぐことが、カメムシの侵入を防ぐ上で非常に重要です。 隙間テープや防虫ネット、パテなどを活用して、物理的に侵入経路を塞ぎましょう。また、定期的に家の周りを点検し、新たな隙間ができていないか確認することも大切です。

家の中で卵を孵化させない

万が一カメムシが家の中に侵入してしまった場合でも、産卵・孵化させないための対策を講じることが重要です。
カメムシの産卵時期は、種類によって異なりますが、多くは春から秋にかけての暖かい時期です。また産卵場所には葉の裏や壁、家具の隙間、カーテンの裏など、人目につきにくく湿気がある場所が選ばれる傾向があります。
卵はカメムシの種類によって形状や色が異なりますが、多くは塊状で、白っぽい色や緑色がかった色をしています。卵を見つけた場合は、孵化する前に速やかに駆除することが重要です。ガムテープや粘着テープなどで剥がし取って処分するか、殺虫剤を使用しましょう。

カメムシが家の中に侵入してしまったときの対策

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どれだけ対策をしても、カメムシが家の中に侵入してしまうことがあります。家の中でカメムシを見つけた時には、以下の点に注意して冷静かつ適切に対処しましょう。

刺激を与えない

カメムシを見つけた際に、最も重要なのは「刺激を与えない」ことです。カメムシは外からの刺激を受けると、防御反応として強烈な臭いを発します。この臭いは一度発生するとなかなか消えません。服や皮膚に付着すると、洗ってもすぐに落とせず不快な思いをすることになります。まずは叩いたりほうきで掃き出したりせず、落ち着いて適切な駆除しましょう。

カメムシ専用の殺虫剤を使用する

殺虫剤の中にはカメムシに有効なものがあります。スプレータイプや燻煙タイプ、設置型などさまざまな種類がありますので、状況やカメムシの種類に合わせて使い分けましょう。ただし、使用する際は、必ず換気を十分に行い、ペットや小さなお子さんがいる場合には近くに寄らせないようにするなど、特に注意しましょう。
なお、近年では低温の冷気を吹きかけて虫を凍らせるタイプの駆除剤が人気です。殺虫スプレーを使うのが難しいようなら、冷気タイプのスプレーでカメムシの動きを止めてから駆除するのもおすすめです。

殺虫剤を避けたい場合は「ハッカ油」

殺虫剤の使用を避けたい場合は「ハッカ油」が有効な対策となります。ハッカ油は、カメムシが苦手なミント系の植物から作られる油です。ミント特有のメントール成分がカメムシを寄せ付けない忌避効果が期待できます。
なお、ハッカ油は人によっては刺激を感じる場合があるため注意が必要です。特に原油のままでは刺激が強いため、使用時にはハッカ油を水で薄めたスプレーを作り、カメムシに直接吹きかけたり、侵入経路となりそうな場所に定期的に散布するとよいでしょう。

手や衣類に臭いが付いてしまったら?

カメムシの臭いの主成分はアルデヒド類です。アルデヒド類は油に溶けやすい性質があるため、カメムシの臭いが手についてしまった時には、クレンジングオイルや食用油などを手に塗り込んでからハンドソープで洗い流しましょう。
衣服についてしまった場合は、界面活性剤入りの洗剤でのつけ置き洗いが効果的です。洗剤を溶かしたぬるま湯に半日程度つけてから洗濯しましょう。また、カメムシの臭いは揮発性があるため、臭いがついた場所をドライヤーやアイロンで温めることで、臭いを薄くできます。

まとめ

カメムシは、その強烈な臭いと繁殖力の高さから、家の中に侵入されると非常に厄介な存在です。しかし、適切な対策をしっかりと行うことで、家の中での繁殖を防ぎ、快適な住まいを維持することが可能です。
カメムシは明るい場所や暖かい場所を好む傾向があります。天日干しで乾いた洗濯物や、電灯の明かりを通じてカメムシが室内に入らないように注意が必要です。もしカメムシが室内に侵入してしまった場合は、有効な殺虫剤や忌避剤を活用した対処を実践しましょう。

この記事のポイント

カメムシはどのような虫ですか?

カメムシは、その独特な臭いと強い繁殖力を持つと知られる昆虫です。カメムシに関する問題を解決するためには、まずは基本的な生態について理解を深めることが大切です。

詳しくは「カメムシとは?」をご覧ください。

家の中でカメムシが繁殖してしまうのを防ぎたいです!

カメムシの繁殖を防ぐために必要なポイントは、まずはカメムシを家に入れないこと。そして、入ってきても家の中で卵を孵化させないことの2点です。

詳しくは「家の中でカメムシが繁殖してしまうのを防ぐには?」をご覧ください。

カメムシが家の中に入ってきてしまったらどう対処したら良いですか?

どれだけ対策をしても、カメムシが家の中に侵入してしまうことがあります。

家の中でカメムシを見つけた時には、「カメムシが家の中に侵入してしまったときの対策」を参考に冷静かつ適切に対処しましょう。

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ライターからのワンポイントアドバイス

カメムシは関東から九州にかけて繁殖する昆虫です。2024年には全国30都府県で「カメムシ注意報」が発令されるほど大量発生するため、各家庭での対策が求められます。室内に入れない対策だけでなく、万が一侵入されたときにも慌てずに対処する心構えが大切です。
まずはカメムシが寄りつきにくいLEDライトへの交換や、防虫効果のある忌避剤の散布といった対策を行いましょう。万が一室内に侵入した場合に備え、カメムシに対応した殺虫スプレーの用意も忘れずに。