ざっくり要約!
- ブランドマンションとは、大手デベロッパー(不動産会社)が手がけたマンションのこと
- ブランドマンションは資産価値が高いため、中古物件でも比較的高値で取引されている
さまざまなマンションの中でも「ブランドマンション」と呼ばれて注目を集めているマンションがありますが、その他のマンションとはどのような違いがあるのでしょうか。
本記事ではブランドマンションの概要を解説し、値上がり率ランキングTOP10と、各デベロッパーの特徴を紹介します。
またブランドマンションを購入するメリットや、事前に知っておきたいポイントも解説します。マンションの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
記事サマリー
そもそもブランドマンションとは?

ブランドマンションとは、大手デベロッパー(不動産会社)が手がけたマンションのことをいいます。
大手が販売していることから信頼感と人気があり、また資産価値も高いため、中古物件でも比較的高値で取引されています。
大手デベロッパー7社が運営する新築マンション検索サイトがあり、その7社を「メジャー7」と呼ぶことがあります。
メジャー7と呼ばれているのは、以下のデベロッパーです。
- 住友不動産株式会社
- 株式会社大京
- 東急不動産株式会社
- 東京建物株式会社
- 野村不動産株式会社
- 三井不動産レジデンシャル株式会社
- 三菱地所レジデンス株式会社
ちなみに2023年に供給された民間マンション(約65,000戸)のうち、メジャー7のマンションが約21.3%を占めており、人気だけでなく実績も豊富であることがわかります。
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ブランドマンション値上がり率ランキングTOP10

不動産のなかでもマンションの価格は上昇傾向にありますが、そのマンションの中でも値上がり率が高いマンションの売主(デベロッパー)TOP10を見てみましょう。
下記は、分譲マンションのセカンドオピニオンサイト「住まいサーフィン」が発表した、関東版売主別中古マンション値上がり率のランキング2023です。
2008年~2022年に竣工した関東圏(※)の新築分譲マンションが対象で、2023年1月~12月までに売買されたマンションの値上がり率を、以下の計算式で算出したものです。
計算式:中古マンション値上がり率=中古売り出し価格/新築時価格/経過年数
なお総戸数10戸未満、事例数が5件未満のマンションは除外で、20棟以上のマンションを販売した売主が対象です。
| 順位 | 売主名 | 平均値上がり率 (1年あたり) | 物件数 (棟数) | 事例数(件) |
| 1 | 三井不動産レジデンシャル | 6.1% | 122 | 1717 |
| 2 | 住友商事 | 5.8% | 20 | 183 |
| 3 | 大和ハウス工業 | 5.1% | 37 | 492 |
| 4 | 阪急阪神不動産 | 5.0% | 21 | 210 |
| 5 | 伊藤忠都市開発 | 5.0% | 30 | 312 |
| 6 | 東京建物 | 4.8% | 26 | 287 |
| 7 | 東急不動産 | 4.6% | 45 | 439 |
| 8 | 三菱地所レジデンス | 4.3% | 120 | 1400 |
| 9 | 野村不動産 | 4.2% | 172 | 2449 |
| 10 | オープンハウス・ディベロップメント | 4.0% | 28 | 258 |
※関東圏:東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城
値上がり率は平均値(1年あたり)であることから、上記数値以上に値上がりしているマンションもあることがわかります。
次に、各社が手がけるマンション特徴や、値上がりした要因について解説していきます。
1.三井不動産レジデンシャル
三井不動産レジデンシャルは、三井不動産のグループ会社の1つです。
財閥系デベロッパーの中でも歴史が古く、1971年にはタワーマンションの先駆けともいえる「三田綱町パークマンション」を販売しています。
デザイン力に定評があり、コンセプトの異なるマンションシリーズを数多く供給しているのが特徴です。
最高級マンションシリーズには「パークマンション」、超高層マンションシリーズには「パークタワー」と名付け、富裕層から一般ファミリー向けのマンションまで、さまざまなターゲット層に向けた商品を手がけています。
・三井不動産レジデンシャルのブランドマンション検索はこちら
2.住友商事
住友商事は総合商社で、マンション開発を1つの事業として行っています。
マンション事業への参入は1960年代初頭と早く、関西圏初の民間分譲マンションである「メゾン西宮」を手がけたことでも有名です。
同社は「ハイム」や「ハウス」、関西圏では「メゾン」シリーズのマンションを世に送り出してきましたが、機能と美の融合をコンセプトに、2009年には「クラッシィハウス」に統一。
都内のオフィスビルや商業施設とともにマンションを開発することを得意としており、結果として値上がり率を押し上げることにもなりました。
3.大和ハウス工業
大和ハウス工業は1977年にマンション事業に進出し、2005年には免震構造の建築物として当時最高層となる超高層免震型分譲マンション「D’グラフォート神戸三宮タワー」を竣工。
2007年には上質な暮らしを求める人をターゲットにした、「プレミスト」シリーズを誕生させました。
ちなみに7つの事業本部が存在する大和ハウス工業ですが、業務の効率化を図るために2025年4月1日より「住宅系」と「非住宅系」の2つの本部を軸に再編すると発表。
これがさらなるブランド力アップにつながれば、値上がり率にも影響があるかもしれません。
・大和ハウスのブランドマンション検索はこちら
4.阪急阪神不動産
阪急阪神不動産は電鉄系の不動産会社で、阪急沿線や京都を中心に質の高いマンションを供給しているデベロッパーです。
「ジオ」と名づけられた阪急阪神不動産のマンションシリーズは、永住を見据えた品質管理とアフターサービスの充実から中古物件になっても支持されています。
関西における実績が豊富で信頼度も高く、値上がり率は関西圏で7年連続1位となっています。関東圏におけるランキングでも値上がり率4位と健闘しました。
5.伊藤忠都市開発
伊藤忠都市開発は、大手総合商社の伊藤忠商事と同じ、伊藤忠グループに属するデベロッパーです。
マンション用地取得と開発を伊藤忠都市開発、販売は伊藤忠ハウジング、管理は伊藤忠アーバンコミュニティが担当し、三社が一体となって一貫体制を築いています。
同社は首都圏と関西圏を中心に「クレヴィア」と名づけたマンションを供給しています。マンションに暮らす人々が日々充足感を得られ、安心して暮らせること住まいを創造することを目指しています。
コンクリートにガラスや金属など、異なるマテリアルを取り入れた外観は、品格や重厚感を感じさせるデザインになっています。
・伊藤忠都市開発のブランドマンション検索はこちら
6.東京建物
東京建物は、1896年に旧安田財閥の創始者である安田善次郎が創業した会社です。
その歴史は長く、1960年代初頭に住宅事業を着手。2003年にはマンションのブランド名を「ブリリア」に統一し、これまで数多くのマンションを供給しています。
東京建物はタワーマンションに定評があり、「ブリリアタワーズ目黒」は平均販売価格が1億円を超えていたため、当時話題になりました。また、販売からわずか4カ月程度で完売したことからも、その人気の高さがわかります。
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7.東急不動産
東急不動産は、いわずと知れた電鉄系のデベロッパーです。2024年に1万円の顔となった渋沢栄一が中心となって、1918年に創設した田園都市株式会社が東急不動産の基礎になっています。ちなみに田園調布(多摩川台住宅地)の開発・販売をしたことでも、広く知られています。
1955年には、日本初の外国人向け高級賃貸住宅(代官山東急アパート)を竣工。近年では100年に一度といわれる、渋谷駅周辺の再開発を手がけました。
都市開発のノウハウを生かして2021年に竣工した「ブランズタワー豊洲」は、スーパーや保育園までそろっており、利便性と住みやすさを両立した街づくりに貢献したといえるでしょう。
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8.三菱地所レジデンス
三菱地所レジデンスは、財閥系デベロッパーの1つです。三菱地所は丸ノ内ビルヂングなど多くの商業ビルを所有しており、ホテル事業なども手がけています。
三菱グループの中でも住宅部門を扱う三菱地所レジデンスは、三菱地所と三菱地所リアルエステート、藤和不動産が統合して生まれた会社です。
以前、同社のマンションシリーズは「パークハウス」と名づけられていましたが、統合と同時に「ザ・パークハウス」に変更されています。
優雅な外観デザインと財閥系デベロッパーという安心感から、富裕層に支持されています。
販売戸数が常に5位以内に入っていることからもわかるように、人気のブランドマンションの1つといえるでしょう。
9.野村不動産
野村不動産は、野村證券から分離独立した会社で、1960年代初頭からマンションの分譲を手がけています。
以前には「コープ」がつくマンション名もありましたが、2002年には「プラウド」に統一。販売戸数を増加させるとともに、ブランドマンションとしての地位を確立しました。
2021年には財閥系デベロッパーを抑えて、マンション供給量はトップにランクインしています。
その後も常に3位以内に入っており、デザイン性や管理体制のよさからブランド力も強く、プラウド限定でマンションを探す人もいるほどの人気です。
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オープンハウス・ディベロップメント
オープンハウスといえば「便利地、好立地」というフレーズがキャッチーで、テレビコマーシャルで見かけたことがあるという人も多いでしょう。
「オープンレジデンス」と名がつくマンションを展開していますが、2023年には5,156戸を供給し、全国の分譲マンション供給数で3年連続1位に輝いています。
オープンハウス・ディベロップメントは、土地の仕入れから企画・開発・販売までを一貫して行うことで、都心の駅近マンションも求めやすい価格で提供しています。
ブランドマンションを購入するメリット

ブランドマンションを選ぶことでさまざまなメリットがありますが、ここでは代表的なメリットを紹介します。
物件の資産価値を保ちやすい
ブランドマンションはデザイン性に優れ、管理体制がよく、大手デベロッパーへの信頼感から人気があります。
需要が高いために高値で売却しやすく、資産価値を保ちやすいのがメリットです。
またマンションそのもののクオリティが高いことで愛着を感じやすく、住みやすいという特徴もあります。ゆえに比較的手放すケースが少なく、それもまた資産価値が落ちにくい要因でしょう。
立地や周辺環境がよい
ブランドマンションは、立地条件がよい場所に建てられていることが多く、利便性や周辺環境に恵まれています。
大手デベロッパーは資金力があるため、広大な土地を仕入れることができ、街全体を開発しているケースもあります。通勤通学の利便性や街並みの良さを重視するのであれば、ブランドマンションを検討してみましょう。
設備が整っている
ブランドマンションを手掛ける大手デベロッパーは、その実績を生かしてマンション設計に取り組んでおり、最新のセキュリティやハイグレードな設備が導入されたマンションが多いのも特徴です。
洗練されたファサード(正面の外観)やシックな内装、大きなエントランスホールを備えたマンションも多く、高級ホテルに暮らしているような錯覚を覚えるという人も少なくありません。
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ブランドマンション購入前に知っておきたいポイント

最後に、ブランドマンションを購入する前に知っておきたいポイントを紹介します。
希望のエリアで見つからないことがある
ブランドマンションはその住みやすさから、そもそも手放す人が少なく、売りに出たとしてもすぐに売れてしまう傾向があります。
また特定のブランドマンションに絞って探している人も多く、特にエリアを限定している場合は、見つかりにくいかもしれません。
購入したいブランドマンションや希望するエリアが決まっている場合は、不動産会社の担当者に希望や条件を伝えておき、物件が出たらすぐに紹介してもらいましょう。
購入価格や維持費が高くなりがち
同等の築年数や広さであっても、ブランドマンションは一般的なマンションに比べて高額であることがほとんどです。
また、共用施設が充実している傾向があり、その分管理費や修繕積立金も高くなることが多く、維持費も高めになります。
もし予算内におさまるのであれば、資産価値が高く値崩れしにくい、ブランドマンションの購入をおすすめします。
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この記事のポイント
- そもそもブランドマンションとは?
ブランドマンションとは、大手デベロッパー(不動産会社)が手がけたマンションのことをいいます。
大手が販売していることから信頼感と人気があり、また資産価値も高いため、中古物件でも比較的高値で取引されています。詳しくは「そもそもブランドマンションとは?」をご覧ください。
- ブランドマンションの中で値上がり率が1番高いのは?
「住まいサーフィン」が発表した、関東版売主別中古マンション値上がり率のランキング2023によると、ブランドマンションの中で値上がり率が1番高いのは三井不動産レジデンシャルです。
詳しくは「ブランドマンション値上がり率ランキングTOP10」をご覧ください。

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ライターからのワンポイントアドバイス
ブランドマンションは、立地や住環境がよいために住みやすく、資産価値が高いのが魅力です。予算的な問題をクリアしている状態で、ブランドマンションと一般的なマンションのどちらにするか迷ったら、ブランドマンションの購入をおすすめします。
住まい探しでは、無理な資金計画を立ててしまうと、入居後に後悔することになりかねません。希望のブランドマンションが予算内で見つからないときは、エリアや築年数などの条件を広げて探してみましょう。それでも見つからないときは、複数の不動産会社に希望や条件を伝えておき、該当の物件が出たら連絡をもらえるように依頼しましょう。
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