ざっくり要約!
- ニッチとは、壁面の一部をくぼませて、物を飾ったり収納したりするスペースを指す
- ニッチの活用方法は、飾り棚・収納・スイッチニッチなど様々。また、扉や棚板の有無によっても使い方が変わる
ニッチは、壁の中に作る小さな収納スペースです。ニッチの使い方は様々なので、どんな収納アイデアがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ニッチを作れる場所や活用方法、収納アイデアやコーディネートまで解説します。ニッチを家に取り入れてみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
記事サマリー
ニッチとは壁の奥行きを活用した収納
ニッチとは、壁面の一部をくぼませて、物を飾ったり収納したりするスペースを指します。
壁の厚みを利用して作るので、通路や部屋側に出っ張らず、スマートに物を飾ることができます。
ニッチを作れる場所
ニッチは、柱と柱の間の「空間」を有効活用して作る収納です。玄関・キッチン・リビング・洗面所など、あらゆる場所に作ることができます。
ただし、建物を設計する上では、柱や筋交い、配線などの配置が優先されるので、作りたい場所にニッチを作れるとは限りません。
基本的には新築時やリフォーム時に、どのようなニッチを作りたいか、建築業者と打ち合わせながら進める必要があります。
奥行きには限界がある
ニッチは壁の奥行きを活かして設置するため、壁の厚みより大きく作ることはできません。一般的な在来工法の場合、内壁の厚さは13cm程度のため、ニッチの奥行きは7~10cm程度になります。
ニッチの奥行きを大きく作りたい場合は、壁をふかす(壁を厚くして仕上げ面を前に出すこと)などして対応できる場合がありますが、壁をふかすと周囲の空間も狭まるため注意が必要です。
幅は80㎝程度までが一般的
ニッチは柱と柱の間の空間を利用して作るため、ニッチの幅は柱の間隔で決まります。
在来工法では、柱の間隔は910mmが一般的となっているので、910mmから柱の寸法を差し引いた800mm程度(約80cm)がおおよその最大幅になります。
ただし、製作可能なサイズは建物の工法や構造にもよるので、建築業者に確認しましょう。
ニッチの活用方法
ニッチの活用方法は、主に飾り棚と収納ですが、アイデア次第で様々な活用の仕方があります。
飾り棚
ニッチは、目線の高さに物を飾ることができ、装飾的なスペースとして役立ちます。花瓶やフォトフレーム、季節の雑貨などを飾り、立体感のあるディスプレイをすることが可能です。
飾り棚としてのニッチは、玄関やリビングなど、来客の目に留まりやすい場所に設置するのがおすすめです。
収納

ニッチのサイズによっては、棚板を取り付けて実用的な収納として活用することもできます。
例えば、キッチンの腰壁に作ったニッチなら、調味料やスパイスを整理するスパイスラックとして重宝します。ダイニングのニッチであれば、リモコンやティッシュなど食卓周りの収納として便利です。
細々としたものが多い洗面所でも、化粧品や洗面用品を整理するために、ニッチがあると役立ちます。
スイッチニッチ

スイッチニッチ(リモコンニッチ)とは、インターホンやスイッチ、給湯器のリモコンなどを一か所にまとめたものです。キッチン周辺に設けられることが多く、あらゆる設備の操作を一か所でできるので、新築時によく採用される仕様です。
また、大きめに作ったスイッチニッチで、スマートフォンやタブレットの充電をまとめてできるようにしたものも見られます。
ニッチをおしゃれかつ実用的に!コーディネートのアイデア
ニッチは工夫次第で様々な見せ方、使い方ができる空間です。ニッチのインテリアコーディネートのアイデアをご紹介します。
扉をつける
ニッチに扉をつけることで、生活感のある物を隠しながら収納することができます。ニッチ収納の便利さは残しつつ、インテリアへの影響を最小限に抑えられる方法です。
例えば、ダイニングテーブル近くに扉つきのニッチがあれば、調味料や常備薬を収納できます。また、トイレのニッチであれば、トイレットペーパーや掃除用品を目立たないように収納することも可能です。
見せる収納は統一感を出す
扉のないオープンなニッチは、出し入れしやすく便利ですが、雑然とした印象を受けやすいので工夫が必要です。
収納ケースやボトルを揃えて、デザインの統一感を出すと洗練されて見えます。素材を統一できない場合は、色を揃えると良いでしょう。
また、お店のディスプレイを参考にして飾ると、上手くまとめやすくなります。
アクセントクロスやタイルでおしゃれに

ニッチがあるだけでも空間のアクセントになりますが、ニッチの内部にタイルやアクセントクロスを貼ることで、よりおしゃれに映える空間になります。
また、タイルやアクセントクロスは大柄なデザインは避け、物を飾ることを前提にデザインを選ぶと良いでしょう。
マグネットボードを取り入れる
マグネットボードをニッチに取り入れて、家族専用の掲示板として使う方法もあります。
メモや学校のお便りを貼ったり、鍵や小物を引っ掛けたり、細々とした共有物を整理する場所として便利です。
アーチ形状や円型も可能

ニッチの形状は長方形に限りません。アーチ形状や円型など、個性的な形にするのも自由です。ニッチに曲線を取り入れることで、空間がやわらかな印象になります。
用途が限定される場合もありますが、飾り棚として使うのであれば、ニッチのデザインそのものを楽しむのも良いでしょう。
照明でインテリアを引き立たせる

玄関やリビングに設けるニッチは、来客が目にする機会も多いので、飾り棚として設置するのもおすすめです。
飾り棚として使う場合は、ニッチの内部にスポットライトを埋め込み、照明をあてられるようにすると、印象的な空間を演出することができます。
物を置きすぎず余白をつくる
ニッチに限らず、収納は物を置きすぎると使いづらくなります。美しく使いやすい収納にするために必要なのが「余白」です。
収納に余白があることで、収納は使いやすく洗練されて見えます。物は、取り出しやすさも意識して収納しましょう。
ニッチはDIY可能?自分で造作するときの注意点
ニッチはDIYで作ることも可能ですが、建物の構造や安全性に関わる注意点があります。
柱や筋交いを傷つけない
壁の中にある柱や筋交いは、家の強度を保つための重要な部材です。DIYでニッチを作る際は、下地センサーで柱や間柱がない場所を確認することが大切です。
また、筋交いは下地センサーで見つけられないことも多く、専用の探索ツールが必要になることもあります。
耐力壁にニッチは作れない
2×4工法で建てられた住宅は、角材とパネルで作られた「耐力壁」で建物を支える構造です。壁そのものが構造躯体となっているので、ニッチを造作するのは困難です。
また、マンションなどでコンクリートに直接石膏ボードが貼られているケースがあります。その場合も空間がないのでニッチを作ることはできません。
他にも、断熱材が入っている外壁面、配線が密集しているスイッチ・コンセント周りなど、ニッチの造作を避けたほうがいい場所もあります。
ニッチの利用方法をあらかじめ決めておく
DIYでニッチを造作する際は、どのような目的で、どこに作るのかを明確に決めておくことが大切です。
また、ニッチ完成後に、どのように生活が変わるのかまで具体的にイメージできると、後悔や失敗を防げるでしょう。
まとめ
ニッチは壁の中にある「空間」を活用した収納スペースです。構造的な問題をクリアできれば、使いやすい高さに設置できるので、非常に便利な収納になります。
また、アイデアや工夫次第でニッチの活用方法は無限にあります。どのようなニッチがどこにあれば便利なのかよく検討し、限られた空間を有効活用しましょう。
この記事のポイント
- ニッチとはなんですか?
ニッチとは、壁面の一部をくぼませて、物を飾ったり収納したりするスペースを指します。
詳しくは「ニッチとは壁の奥行きを活用した収納」をご覧ください。
- ニッチはどう活用すればいいのでしょうか?
ニッチの活用方法は、主に飾り棚と収納ですが、アイデア次第で様々な活用の仕方があります。
詳しくは「ニッチの活用方法」をご覧ください。
- ニッチのおしゃれなインテリアコーディネートを教えてください。
ニッチは工夫次第で様々な見せ方、使い方ができる空間です。
「ニッチをおしゃれかつ実用的に!コーディネートのアイデア」にてニッチのインテリアコーディネートのアイデアをご紹介します。
ライターからのワンポイントアドバイス
ニッチは小さな壁で囲まれた空間のため、ちょっとした小物を飾るだけでも特別な空間になります。節句やクリスマスなど、季節に合わせてディスプレイを交換し、いつも新鮮な気持ちで楽しめると良いですね。また、ニッチは便利な空間ですが、同じ空間にいくつもあると雑然として見えることがあるので、場所を厳選して設けましょう。

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