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専門家コラム

「マンション化率」から読み解く不動産市場

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吉崎 誠二

COLUMNIST PROFILE

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

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2026年1月29日に、東京カンテイより「都道府県マンション化率2025」が公表されました。ここでいう「マンション化率」とは、総世帯数に占める分譲マンション戸数(本調査では2025年末までに竣工し、現存するマンションの総戸数)の割合を示す指標です。算出方法は、以下のとおりです。
マンション化率(%)=(分譲マンション戸数 ÷ 総世帯数)×100
本稿では、不動産投資家が「マンション化率」を把握する意義と、最新データから読み取れる市場動向について解説します。

目次
不動産投資家が「マンション化率」を把握するメリット
マンション化率
まとめ

不動産投資家が「マンション化率」を把握するメリット

「マンション化率」は、各エリアにおいて分譲マンションがどの程度ストックとして形成されているかを示す指標のひとつです。不動産投資を行う地域を選定する際の判断材料として活用することができます。例えば、マンション化率が高い地域は、すでにマンションストックが厚く、市場が成熟していると捉えることができます。戸建てよりも集合住宅が主流であり、人口密度が高く、駅近立地や生活利便性の高い都市型エリアである可能性が高い点も示唆されます。
一方、マンション化率が低い地域は戸建て中心であることが多く、現時点での賃貸需要は限定的な場合があります。しかし、再開発や人口流入などの動き次第では、将来的にマンション供給および需要が拡大する余地を有していると見ることもできます。
このように、マンション化率は、その地域が成熟したマンション市場なのか、あるいは今後成長余地のある市場なのかを見極める指標として活用できます。投資適性や中長期的な資産価値の見通しを立てるうえでも、有用な参考材料となるでしょう。ただし、留意すべき点もあります。それは、マンション化率の数値だけで判断してはならないということです。前述のとおり、マンション化率は総世帯数に占める分譲マンション戸数の割合であり、分子である分譲マンション戸数だけでなく、分母である総世帯数の増減にも影響を受けます。そのため、マンション戸数と総世帯数の増減バランスに着目し、地域の最新動向とあわせて分析することで、マンション化率の変化をより的確に読み取ることが可能となります。
それでは、最新データを見ていきます。

マンション化率

マンション化率の推移(全国)
持ち家率の推移
(株式会社東京カンテイ「Kanteieye」より作成)

2025年分の全国マンション化率は13.22%(前年比+0.11ポイント)となり、引き続き上昇基調が続いています。
圏域別に見ると、首都圏は22.37%(前年比+0.08ポイント)と依然として高い水準にあります。中部圏は8.55%(前年比+0.10ポイント)、近畿圏は17.15%(前年比+0.13ポイント)となりました。

都道府県別では、山梨県のみが前年比▲0.01ポイントとわずかに低下したものの、その他46都道府県では上昇しました。最も上昇率が高かったのは神奈川県で、前年比+0.18ポイントとなりました。次いで京都府、長崎県が続いています。これら3県の上昇要因は、それぞれ性質が異なると考えられます。神奈川県および京都府では、都市部を中心に分譲マンションの供給が継続していることが主因とみられます。一方、長崎県では人口流出により世帯数が減少するなかで分譲マンション戸数が増加している可能性があり、分母である総世帯数の伸びが抑えられた結果、マンション化率が押し上げられていると分析できます。続いて、行政区別に見ていきます。

マンション化率ランキング(主要行政区別)
持ち家率の推移
(株式会社東京カンテイ「Kanteieye」より作成)
※赤字は前回調査から減少した地域

主要行政区別に見ると、最もマンション化率が高かったのは東京都千代田区で、81.83%(前年比+0.75ポイント)となりました。大規模マンションの竣工により分譲マンション戸数が増加する一方、世帯数の増加が限定的だったことから、マンション化率が上昇し、千代田区は3年ぶりに首位となりました。前回調査で1位だった東京都中央区は、79.84%(前年比▲2.13ポイント)と低下に転じました。これは、「晴海フラッグ」など選手村跡地の大規模住宅供給に伴い世帯数が急増したことが影響していると考えられます。順位の変動は一部に見られるものの、上位の顔ぶれは前回とおおむね変わっていません。都心部では、マンション中心の居住構造が引き続き維持されていることが読み取れます。

まとめ

今回は、不動産投資家が「マンション化率」を把握する意義と、最新公表データから読み取れる市場動向について解説しました。本データは、都道府県別、主要行政区別、政令指定都市別など、さまざまな行政単位で公表されています。自身の投資(検討)エリアにおけるマンション化率を把握・分析することで、市場の成熟度や将来性を見極める材料となり、より精度の高い投資判断につながるでしょう。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。
本マーケットレポートに掲載されている情報は、2026年3⽉16⽇時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。
本マーケットレポートに掲載した記事の無断複製・無断転載を禁じます。
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