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専門家コラム

国際不動産価格指数

専門家コラムVol.53|イメージ
吉崎 誠二

COLUMNIST PROFILE

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

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ここ数年の日本の不動産市場は底堅く推移を示しています。新築マンション市場に目を向けると、1億円以上の高価格帯物件を表す言葉である「億ション」はすでに珍しい物件ではなく、かつてのように特別な響きを持つ言葉ではなくなりつつあります。また、平米単価も引き続き上昇基調にあります。
日本の不動産市場はその安定性や成長余地といった点から、海外の不動産投資家からも注目を集めてきました。今回は、一般社団法人日本不動産研究所が公表した「国際不動産価格賃料指数」の最新のデータを用いて、海外不動産市場から見た日本の不動産市場の動向を解説していきます。

目次
「国際不動産価格賃料指数」とは
マンション賃料指数の対前回変動率の比較
まとめ

「国際不動産価格賃料指数」とは

2025年11月に日本不動産研究所が公表した第25回「国際不動産価格賃料指数」(2025年10月時点)は、東京・大阪をはじめとする世界16都市のオフィスおよびマンションの価格・賃料を指数化したものです。従来は15都市が対象でしたが、前回調査からムンバイが新たな対象都市として追加されました。本指数では、1都市あたりオフィス・マンションそれぞれ3区分のカテゴリーに分けた計6物件を抽出し、価格時点(4月1日・10月1日)における新築物件の新規契約を前提として算出しています。既存物件を対象とすると築年数の違いにより比較が難しくなるため、基準を統一することで都市間の比較可能性を確保しています。今回は、この国際不動産価格賃料指数のうち、マンションに関する指数に着目して見ていきます。

マンション価格指数の対前回変動率の比較
持ち家率の推移
(一般財団法人日本不動産研究所「第53回 不動産投資家調査」より作成)

上のグラフは、16都市それぞれのマンション価格指数の対前回変動率を比較したものです。結果は、9都市が上昇、2都市が横ばい、5都市が下落となりました。東京は前回と同じく+1.4%と、引き続き堅調な伸びを示しています。今回、最も大きな上昇率を記録したのは大阪で、+3.4%となりました。
大阪の上昇要因としては、2025年に開催された大阪・関西万博の影響が挙げられます。それに加え、大阪は世界的な都市でありながら、東京ほどマンション価格が高騰していない一方で需要が底堅く、今後も安定した価格上昇が期待されていることも背景にあると考えられます。
また、今回上昇に転じた都市は香港(+0.7%)、一方で下落に転じたのは台北(-0.1%)でした。以前から高い価格水準を維持していた香港では、住宅ローン金利の上昇などを背景に、2021年のピーク時から約30%の価格調整が進んでいました。その後、香港当局による不動産購入制限の撤廃や頭金比率の緩和などの政策を受け、市場回復に向かう動きが今回の結果にも表れ始めたとみられます。

マンション賃料指数の対前回変動率の比較

持ち家率の推移
(一般社団法人日本不動産研究所 第25回「国際不動産価格賃料指数」より作成)

上のグラフは、マンション賃料指数の対前回変動率を比較したものです。結果は、12都市が上昇、4都市が下落となりました。東京は+1.1%、大阪は+3.2%と、ともに上昇しています。大阪はシドニー(+3.7%)に次ぐ2番目の上昇率となりました。マンション価格指数と同様に、東京や大阪では賃料面でも安定した上昇傾向が見られ、とりわけ大阪は価格・賃料の双方でトップクラスの伸びを示しています。日本の不動産市場は、富裕層からの需要や実需の堅調さが全体の上昇を下支えしている状況にあります。
もっとも、こうした動きが今後も持続するかどうかについては、引き続き注視が必要です。近年は、安全保障や経済面への影響を背景に、外国人投資家による不動産購入の実態把握を進め、何らかの規制を検討する動きも見られます。これまで日本の不動産市場は、外国人にとって規制が比較的少なく、投資しやすい市場のひとつと捉えられてきましたが、現政権下では外国人投資を巡る制度の見直しや整備に向けた動きも出始めています。市場環境を正しく捉えるためには、こうした制度面の動向についても、今後継続的に最新情報を追っていくことが重要です。

まとめ

今回は、国際不動産価格賃料指数の最新データをもとに、世界的な視点から見た日本の不動産市場の立ち位置について解説しました。国内外の動向を踏まえた国際的な相場観を身につけることは、より適切な投資判断につながる重要な視点と言えるでしょう。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。
本マーケットレポートに掲載されている情報は、2026年2⽉16⽇時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。
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