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NO.48

専門家コラム

投資用マンションの物件エリアについての考察

専門家コラムVol.48|イメージ
吉崎 誠二

COLUMNIST PROFILE

吉崎 誠二

不動産エコノミスト
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

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金融緩和に加え、「老後2,000万円問題」に代表される報道や、副業・兼業の普及といった社会的背景を受け、不動産投資に取り組む人はこの10年以上で着実に増えてきました。入門編とされる区分マンション投資でも、新規に供給される物件のエリア構成は大きく変化しています。
2025年8月5日、株式会社不動産経済研究所は毎年8月に公表している「2025年上期および2024年通年の首都圏投資用マンション市場動向」を発表しました。同データでは、投資用マンションの供給戸数や供給エリアが整理され、市場のトレンドを把握できます。
今回の公表結果によれば、不動産投資ニーズは堅調である一方、新築投資用マンションの供給は減少傾向が続き、価格は高止まりから緩やかな上昇基調を維持しています。供給減と価格上昇の局面では、投資家にとって適切な物件選定が一段と重要であり、その要点の一つが「投資エリアの見極め」です。本稿では、同調査の結果を踏まえ、首都圏における供給エリアの現状と、今後の投資エリア選定の考え方を解説します。

目次
2024年の投資用マンション供給エリア
供給が多いエリアの共通点とは
まとめ

2024年の投資用マンション供給エリア

同調査によれば、2024年の首都圏における供給エリアは34市区で、前年比+2市区でした。下図は2009~2024年の16年間における上位5エリアの推移です。2024年の供給戸数が最も多かったのは江東区(435戸)、続いて大田区(325戸)、墨田区(324戸)、葛飾区(306戸)、台東区(268戸)の順でした。上位5エリアがすべて東京都内となるのは2020年以来で、墨田区は5年連続でトップ5入りとなりました。

首都圏投資用マンション供給戸数上位5エリア
2024年の投資用マンション供給エリア 前年同月比
(株式会社不動産経済研究所「不動産経済 マンションデータ・ニュース」より作成)

供給が多いエリアの共通点とは

都心物件の減少と周辺部での供給増の背景には、①都心の地価高騰と用地取得の難化、②利回り低下、③需要側の立地・賃料志向の変化、の三点が挙げられます。
都心では地価水準が高く、再開発が集中するエリアではデベロッパー間の競争が一段と激化しています。そのため、投資用マンションに適した用地の確保が難しく、周辺部での用地取得へシフトが進みました。加えて、都心は価格上昇に伴い期待利回りが低下しやすく、相対的に郊外の方が一定の利回りを確保しやすい状況です。また、投資用マンションの主要な入居者である20~30代の単身層は、通勤・通学アクセスの良さと手頃な家賃の両立を重視する傾向があります。結果として、都心から20~40分圏の駅近物件の人気が高まり、近年増えている供給エリアの物件は高い稼働率と安定した賃料収入が見込みやすい。こうした要因が重なり、周辺部での新規供給が増えていると考えられます。

まとめ

ここまで、都心周辺で投資用マンションの供給が増えている背景を考察してきました。
首都圏で投資用区分マンションを選ぶ際は、まず都心部の物件を検討することが多いでしょう。前述のとおり、都心は用地取得競争が激しく、近年は希少性の高い物件と言えます。
その一方で、価格上昇と利回りの低下が進む都心だけでなく、周辺部の物件も候補に含める発想が重要です。物件の特性を適切に分析し、投資エリアを戦略的に選定してください。本サイト等を活用し、最新の情報を継続的に入手することをおすすめします。

ご留意事項
不動産投資はリスク(不確実性)を含む商品であり、投資元本が保証されているものではなく、元本を上回る損失が発生する可能性がございます。
本マーケットレポート に掲載されている指標(例:利回り、賃料、不動産価格、REIT指数、金利など)は、
不動産市場や金融市場の影響を受ける変動リスクを含むものであり、これらの変動が原因で損失が生じる恐れがあります。
投資をする際はお客様ご自身でご判断ください。当社は一切の責任を負いません。
本マーケットレポートに掲載されている情報は、2025年9⽉16⽇時点公表分です。
各指標は今後更新される予定があります。
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