2024年01月の不動産ニュース

日々、移り変わる不動産市場。
私たちにとって“情報”を理解し、
精査することは何よりの財産です。
ここでは不動産業界のニュースをお届けします。
※記載されている内容は、全て掲載時点のものです。
最新の内容とは異なる場合がありますのでご了承ください。

2024年01月

  • 2024.01.31

    国交省、二地域・多拠点居住を後押し

    ―広域地方活性化法改正案、国会提出へ


    国土交通省は、地方への人の流れの創出に向け、二地域居住・多拠点居住を後押しする。2月上旬をメドに、通常国会に広域地域活性化法の改正案を提出し、居住者を受け入れる側の市町村がシェアハウスやコワーキングスペースを整備しやすくする。春頃に国会で成立すれば、秋頃の施行になる見通し。

    広域地域活性化法は、都道府県間の人の流れの活性化を目指すもので、来訪者を呼び寄せる拠点となる観光施設や工業団地などのインフラ整備を支援する法律。改正案は、整備支援の対象に、新たに市町村が「特定居住(仮称。二地域居住・多拠点居住のこと)」の促進を目的に整備する拠点施設を加える。具体的には、特定居住者を呼び寄せたいエリアとして市町村が指定する「特定居住促進区域」に設けるシェアハウスやコワーキングスペースなど。廃校や空き家といった既存建物を用途変更する場合の手続きを従来より簡略化し、スピーディーに行えるようにして、改修費用も一部補助する。

    市町村が推進区域を指定するには、どのような区域にするか、ビジョンを落とし込んだ「特定居住促進計画(仮称)」を作成することが必要になる。同計画に地域の声を反映する機関として、特定居住推進協議会(仮称)の仕組みも創設する。協議会には、市町村や地域の不動産会社などが加わることを想定する。

    特定居住者の住まい・なりわい・コミュニティの確保につながる活動を行う「特定居住支援法人(仮称)」の指定制度も設ける。支援法人の担い手は、協議会メンバーと同様の担い手をイメージ。支援法人の活動費の一部を補助していく。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.30

    宅建業法改正案、3月上旬に通常国会へ

    ─内閣府提出、地方分権一括法案の中身に


    内閣府は3月上旬をメドに、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(仮称)」(通称・地方分権一括法案)を今通常国会に提出する方針だ。地方自治体からの提案に基づき、地方自治体への義務付けを緩和する関連法案を複数束ねたもの。このなかには、宅地建物取引業法が定める宅建業者名簿のデジタル閲覧を導入するための宅建業法改正案も含まれている。

    宅建業者名簿の閲覧制度は、宅建業者が所在する都道府県庁や地方整備局で、業者の免許申請時の提出書類が閲覧できる制度。消費者が適切な業者かどうか選定するための参考になる。政府が行政のアナログ規制改革を進める一環で、ネットを活用したデジタル閲覧の解禁が検討されてきた。一方で、現行の閲覧書類にはプライバシーの観点から適さないものが含まれており、政府内で見直しが続けられていた。また、デジタル閲覧の検討に対し、事務を担う地方からは、個人情報を含む書類を対象から除き、効率化を求める声が京都府などから出ていた。

    所管の国土交通省は宅建業法を改正し、25年度中にデジタル閲覧を解禁するとともに、閲覧対象から専任の宅建士の氏名、役員などの住所と電話番号を除外する。直近5年間の取引実績などが記載された宅地建物取引業経歴書、役員の略歴、直前1年分の財務諸表、必要な専任の宅建士を備えている証明書などは、引き続き閲覧対象にする。

    閲覧には都道府県の場合、一定の手数料(東京都は1業者300円)がかかる。デジタル閲覧でも、手数料を支払い申請する形式は維持される見通し。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.26

    23年のマンション市場動向・首都圏、発売は9・1%減の2・6万戸

    ―本社、価格・㎡単価ともに最高値更新


    不動産経済研究所は25日、「2023年の首都圏(1都3県)新築分譲マンション市場動向」を発表した。年間総供給戸数は2万6886戸で、前年(2万9569戸)に比べ2683戸、9・1%減少し、2年連続の2万戸台となった。

    エリア別の供給実績は、都区部1万1909戸(シェア44・3%)、都下2282戸(8・5%)、神奈川県5962戸(22・2%)、埼玉県3030戸(11・3%)、千葉県3703戸(13・8%)。増加したのは都区部のみで、神奈川県、埼玉県、千葉県は2ケタ減と落ち込んだ。都区部のシェアは前年の36・5%と比べると7・8㌽のアップ。また、東京都全域では前年比7・9%増の1万4191戸となり、シェアは52・8%だった。

    売れ行き面では、初月契約戸数の合計が1万8906戸で月間契約率の平均は70・3%。前年(70・4%)比では0・1㌽ダウンも、3年連続の70%台となった。エリア別では神奈川県と埼玉県が60%台、都区部、都下、千葉県は70%台に乗せている。また、累積の契約戸数は2万2493戸で累積契約率は83・7%となり、前年(86・7%)を3・0㌽下回っている。

    価格面をみると、戸当たり平均価格は8101万円で、前年比1813万円、28・8%の上昇。㎡単価も122・6万円で27・5万円、28・9%の上昇となった。平均価格は5年連続、単価は11年連続のアップで、いずれも最高値を大幅に更新している。エリア別では埼玉県以外のエリアが平均価格、単価ともに上昇している。また億ションの発売は4174戸で、前年(2491戸)に比べ1683戸、67・6%の増加。最高額は「三田ガーデンヒルズ」(東京・港区)の45億円だった。

    23年末の在庫は6287戸で、前年末比368戸の増加。年末在庫が増加となるのは5年ぶりのこと。即日完売は1118戸(シェア4・2%)、フラット35登録物件戸数は2万4394戸(90・7%)だった。

    24年の供給は全てのエリアが増加、首都圏全体では前年比15・3%増の3・1万戸前後と増加に転じる見込みだ。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.26

    23年のマンション市場動向・近畿圏、発売は13・8%減の1・5万戸

    ―価格91年以来の高値、単価は高値更新


    近畿圏(2府4県)で23年1年間に新規発売された新築分譲マンション戸数は、前年比13・8%減の1万5385戸となった。初月の月間平均契約率は、前年比1・3㌽ダウンの71・4%。2年連続で好調ラインの70%を上回っている。

    エリア別の発売戸数をみると、大阪市部が前年比8・9%減の6529戸、大阪府下が17・4%減の2972戸、神戸市部が35・5%減の971戸、兵庫県下が15・0%減の1695戸、京都市部が30・8%減の1365戸、京都府下が23・0%増の407戸、奈良県が41・9%増の474戸、滋賀県が15・5%増の859戸、和歌山県が46・4%減の113戸。

    平均価格は前年比0・7%上昇の4666万円、㎡単価は2・1%上昇の79・0万円。平均価格は6年連続のアップ、単価は11年連続のアップ。平均価格は1991年(5552万円)以来の高値、㎡単価は1973年の調査開始以来の最高値を3年連続で更新した。

    平均専有面積は1・4%縮小の59・04㎡。23年末の販売在庫は前年末比11・4%減の3461戸。このうち建物竣工済みの完成在庫は5・2%減の1633戸。

    24年の新規発売戸数は前年比7・2%増の1万6500戸程度となる見通し。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.26

    12月のマンション市場動向・首都圏、発売は3・8%増の5975戸

    ―都区部2・2倍増、都下と千葉5割減


    23年12月の首都圏の新築分譲マンション供給戸数は5975戸で、前年同月(5757戸)比3・8%増と3カ月ぶりの増加となった。契約率は66・1%で、8・7㌽ダウンしている。

    また、平均価格は6970万円で前年同月比1414万円(25・4%)の上昇、㎡単価も107・2万円で20・4万円(23・5%)上昇している。

    エリア別の供給戸数、契約率、平均価格、㎡単価は以下の通り。▽都区部=2268戸、63・4%、9041万円、131・4万円▽都下=268戸、61・6%、5143万円、80・1万円▽神奈川県=1901戸、66・0%、6475万円、100・9万円▽埼玉県=872戸、66・9%、4784万円、80・5万円▽千葉県=666戸、76・0%、4930万円、79・1万円。供給戸数は都下と千葉県が5割減と落ち込んだ一方、都区部は2・2倍増と大きく伸ばした。平均価格は都下以外のエリアが軒並み上昇している。

    専有面積は65・02㎡で前年同月比1・5%の拡大。即日完売は3物件・11戸(シェア0・2%)、フラット35登録物件戸数は5430戸(90・9%)。23年12月末時点の在庫は前月末比1472戸増の6287戸となった。

    1月には1000戸程度の供給が見込まれる。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.26

    12月のマンション市場動向・近畿圏、発売は31・7%増の3888戸

    ―投資用と郊外ファミリー物件大量供給


    近畿圏の23年12月の新築分譲マンション供給戸数は前年同月比31・7%増の3888戸となり、3カ月ぶりに前年実績を上回った。

    供給戸数をエリア別にみると、大阪市部が前年同月比36・5%増の1809戸、大阪府下が79・0%増の741戸、神戸市部が60・4%減の99戸、兵庫県下が25・2%増の323戸、京都市部が31・2%減の320戸、京都府下が123・1%増の58戸、奈良県が580・0%増の170戸、滋賀県が150・8%増の296戸、和歌山県が1・4%増の72戸。投資用と郊外ファミリー物件の大量供給により当初予測戸数よりも大幅に上振れし、05年10月(4103戸)以来、12月としては1990年(3919戸)以来の高水準となった。

    初月契約率は前年同月比1・4㌽ダウンの73・4%と、2カ月ぶりに好調ラインの70%を上回った。平均価格は15・2%上昇の4615万円。㎡単価は7・4%上昇の81・0万円。平均価格、単価ともに2カ月連続のアップ。単価は12月としては1990年(93・1万円)以来の高値。

    23年12月末時点の販売在庫は3461戸で、前月末比696戸の増加、前年同月末比では444戸の減少となっている。

    1月の供給は1000戸程度となる見通し。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.26

    区分所有法改正案、国会提出見送りか

    ─国交省は住宅SN法改正案など6本提出


    区分所有法改正案の24年通常国会提出が、見送られる公算が高まった。政府は24日、衆参両院に対し、26日召集の通常国会に58本の法案を提出すると伝達した。法務省が提出を目指していた区分所有法の改正案は58本のリストから漏れ、「検討中」の扱いになった。建替え要件の緩和など、老朽分譲マンションの急増に対応する内容を多数盛り込んだ改正法案の国会提出は、先送りが濃厚になった。

    各省庁が法案の国会提出準備を進めるも、政府全体の最終調整で漏れることはこれまでにもある。最近では、22年通常国会で当時国土交通省が提出予定だった建築物省エネ法改正案が、直前で検討中になった。同法改正案は、住宅業界の強い要望により一転して会期中に提出されたが、区分所有法改正案の今後は不透明だ。

    国交省の提出法案は6本。2月上旬に、二地域居住を促進する施策を盛り込んだ広域地域活性化法改正案を提出予定。都市緑地を買い入れる国指定団体「都市緑化支援機構(仮称)」の指定などを含む都市緑地法改正案は、2月中旬の提出予定。住宅確保要配慮者の家賃債務保証業者の認定制度創設などを盛り込んだ、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進法(住宅セーフティネット法)の改正案を、3月上旬に提出する予定。

    このほかの国交省24年通常国会提出法案と提出時期は以下の通り。▽奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特措法改正案(2月上旬)▽流通業務総合化効率化促進法及び貨物自動車運送事業法改正案(2月中旬)▽建設業法及び公共工事適正化促進法改正案(3月上旬)。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.25

    中古M価格は首都圏で高水準の調整局面

    ―カンテイ、12月は東京都も前年割れに


    東京カンテイは24日、23年12月と23年年間の中古マンション売り出し希望価格(70㎡換算)をまとめた。12月の首都圏は4686万円(前年同月比2・8%減)となり、前年割れだった。東京都も6393万円(0・2%減)で、前年割れに転じた。神奈川、埼玉、千葉の3県も揃って前年同月を下回る価格で、髙橋雅之・主任研究員は「首都圏全体で価格は高水準の調整局面」と分析した。

    1都3県は前年を下回る価格だった一方、東京23区は7144万円(2・9%増)、都心6区は1億995万円(10・1%増)で、上昇が続いた。特に、国内外の富裕層や投資家から需要が高い千代田区や港区は、価格の上昇が非常に顕著とみている。3県の中心部では、横浜市が3784万円(0・2%減)で前年より僅かに下落し、さいたま市が3714万円(2・7%減)と20年6月以来に前年割れだった一方、千葉市は2477万円(2・5%増)。髙橋氏は「都心部は、在庫の積み上げや価格改定の状況も改善した。他の地域も、相場に急落の動きはない」と話す。

    年間の価格をみると、首都圏が4802万円(前年比1・8%増)だった。22年や21年の10%を超える強い上昇より鈍化した。東京都は6423万円(1・9%増)、東京23区は7055万円(3・1%増)で、割安感のある周辺3県が4%以上の上昇だった。

    近畿圏は2892万円(2・7%増)、中部圏は2277万円(2・8%増)で、それぞれ上昇の勢いが弱まった。不動産価格の高止まりや人口動態の変化などを背景に、大阪市で3886万円(0・6%増)、名古屋市で2800万円(3・5%増)と、中心部の価格の上昇率が縮小した影響が出たとみられる。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.19

    東急不、大阪・茨木に延床16万㎡物流施設

    ―屋根上太陽光発電で自社商業施設に送電


    東急不動産は大阪府茨木市に物流施設の独自ブランド「LOGI'Q(ロジック)」で最大規模となる延床面積16万㎡強のマルチテナント型倉庫を10日に竣工させた。食品・飲料や機械部品などの企業らの利用が決まっており、16日までに全フロアの8割が成約した。屋根上に定格容量約4・8MWの太陽光発電設備を配備し、自前で電力を作る。電力の一部を箕面市で運営する自社の商業施設「みのおキューズモール」にも送り、モールの年間消費電力の2割を賄う計画だ。

    施設名は「ロジック南茨木」。同シリーズで初めて「CASBEE」Sランク、「BELS」五つ星、「ZEB」認証を取得する予定。ZEBを取るのは東急不動産ホールディングスで初めてという。庫内を最少で1区画365坪に細分割でき、最大で6000坪の利用も可能。冷凍冷蔵や少量の危険物の保管に加え、ローカル5Gを活用したい企業の需要にも対応する。

    開発地は茨木市蔵垣内1-53。敷地面積6・45ha。名神高速道路・吹田インターチェンジへ約2㎞の立地。JR京都線・千里丘駅徒歩9分と鉄道駅にも近い。施設規模はS造4階建て。22年6月1日に着工し、約1年半で完成させた。建屋には336台分の車寄せを整備。普通自動車255台分の駐車場がある。トラック待機場を21台分確保した。設計・施工は西松建設。事業主体は合同会社ファンファーレ (土地SPC)と合同会社ユニーク (建物SPC)。コンストラクションマネジメントを山下PMCが手掛けた。

    東急不動産は初期投資なしで太陽光発電の導入が可能な「オンサイトPPA」の事業展開を加速させており、物流施設のほか、店舗、住宅などの屋根上に掲げたパネルで発電する仕組みを別途広げている。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.18

    品川駅付近の再開発事業者が正式決定

    ―日鉄興和・地所ら、3地区に複合ビル等


    JR品川駅南東側の「品川浦周辺地区」で計画される複数の大型再開発事業が実現に向け動き出す。昨年10月に品川浦周辺北地区、同西地区、同南地区の三つの再開発準備組合が立ち上ったが、各準備組合が日鉄興和不動産、三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンスら複数のゼネコン・デベロッパーと事業協力の協定を昨年末に締結。計画地最寄りの京急電鉄本線・北品川駅に近接する約13・5haの区域を北・西・南の三地区に分け、リニア中央新幹線の発着圏にふさわしい独自の街づくりを展開する。オフィスや商業、住宅などの複合ビルを建てる計画で、26年度の都市計画決定を目指す。

    各地区の事業協力者が16日、正式に事業協力者に決まったことを自社サイトなどで開示した。開発予定地は品川区北品川1と東品川1の一帯。地区面積は北地区が6ha、西地区が3・5ha、南地区が4・0ha。三地区に日鉄興和不動産と三菱地所、三菱地所レジデンス、旭化成不動産レジデンスが参画するほか、北地区に清水建設と大林組、京浜急行電鉄、住友不動産、中央日本土地建物、東急不動産、長谷工不動産、西地区に五洋建設と清水建設、南地区に東京建物と五洋建設、大林組、東急不動産が加わる。

    計画地のうち、北地区にはオフィスや住宅などが入る延床面積38万㎡の複合ビルを検討。南地区は住宅、西地区は商業を中心とする延床面積10万~20万㎡の再開発ビルを検討する。品川駅ではJR東日本らが駅舎の改築を進める。日鉄興和は三つの再開発とは別に、品川駅付近で26年に34階建てで総戸数815戸の高層分譲マンション「リビオタワー品川」を竣工させる。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.18

    三幸、都心5区の需給が大幅には緩まず

    三幸エステートは17日、23年12月末時点の全国主要都市におけるオフィス需給動向を公表した。東京都心5区における大規模ビルの空室率は4・97%(前月比0・01㌽増)だった。潜在空室率は7・40%(0・04㌽増)、坪当たりの募集賃料(共益費込)は2万7870円(31円増)と前月からはほぼ横ばいだった。23年を通じて、約20万坪の大量供給を背景に新規供給が需要を上回ったが、空室率は直近1年間で0・72㌽増だった。今関豊和チーフアナリストは、「マーケットで懸念された程の大幅な需給バランスの緩みにはつながらなかった」と分析する。

    都心5区では、空室率5%台が目前の水準で推移している。既存ビルで館内増床などの成約が進んだ。集約移転したテナントの退去床や、部分解約の空き床は生じたが、わずかな動きにとどまった。23年竣工のビルへ移転したテナントの二次空室の募集が本格化していないことも影響したとみられる。募集賃料は、坪2万8000円を睨んだ小幅な動きが続いた。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.18

    東急、不動前に個室フィットネス2店目

    ―高架下に開設、インスタントハウス活用


    東急は、機能特化型の個室シェアサービス「ルービー」のフィットネス事業の2拠点目「ルービーフィット不動前」を17日に開設した。昨春に開設した「雪が谷大塚」の利用が想定以上だったため、2拠点目の開設を前倒しした。ライフルアーキテックが開発したインスタントハウスの分割組み立て型を採用し、東急目黒線の不動前駅至近の高架下の遊休スペースに、15㎡のトレーニングルームと20㎡のスタジオを設置した。

    近隣には大手フィットネスジムなどがあるが会員募集を止めており、ニーズが強いと判断した。料金は1室30分750~1300円、利用は3人まで。時間は午前5~0時。「雪が谷大塚」は会員登録が約3200人に上り好調に進捗。利用は20歳代~40歳代中心で女性が6割。個室貸し切りのため家族や友人での利用が多かった。歌や楽器演奏に使える「ルービーミュージック」の開設も控えており、別業態も含め、東急沿線中心に東京や神奈川で拠点拡大を目指す。開発予定地など賃貸借期間の短い物件、狭小や騒音など居住用には難しい物件でも開設可能なため、渋谷再開発の種地や田園都市線沿線の遊休地などで検討していく。

    インスタントハウスはテントシートを膨らませて内側から断熱材を吹き付ける構造。すでにグランピング施設など約100棟の施工実績がある。風速80mの風や震度6強の地震に耐える耐久性と耐震性を備える。6分割のパーツを組み合わせる新型の開発で、狭い場所での設置や移動も可能になった。工場で施工してから移動、組み立てまで3日間ででき、現地設営は1~2時間。料金は15㎡サイズで231万円(別途輸送費)。ライフルアーキテックは能登半島地震の支援で、避難所に同ハウスを2棟設置。今後も12棟提供予定。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.17

    法制審、区分所有法の改正要綱案を決定

    ─海外居住者、国内管理人の義務付け可に


    区分所有法の改正内容が固まった。法制審議会(法相の諮問機関)の区分所有法制部会は16日、改正の要綱案を決定した。老朽分譲マンションの全国的な増加を受け、管理と再生、双方の円滑化を図ることが次の改正の目的。所在不明の区分所有者を決議の母数から除外する仕組みや、建替え決議要件を条件付きで「4分の3以上賛成」(現行5分の4)に緩和することなど、改正は多岐にわたる。マンション法ともいわれる区分所有法の大規模改正は02年以来で、約20年ぶり。

    所在不明の区分所有者の除外決定は、他の区分所有者や管理者(理事や管理会社)などからの請求を受けて、裁判所が行う。民法の共有制度の所在不明者がいる場合にならい、裁判所が1カ月公告を行って、応答が無ければ除外決定となる。所在不明の区分所有者の除外決定は、区分所有権の処分を含む全決議が対象。

    決議に参加しない無関心な区分所有者がいる場合にも対応する。相続で取得したマンションや、投資用での購入など、自分で住まないマンションに対しては管理への関心が低下しがちだ。決議に参加しない区分所有者は反対扱いになり、適正な管理を阻害する要因になっている。そこで改正区分所有法では、集会出席者の多数決で決議できる仕組みを設ける。

    所在不明区分所有者の決議除外制度と、出席者の多数決決議制度は併用が可能だ。例えば区分所有者が10人で所在不明者が2人いると、決議母数は「8人」になる。8人の過半数の5人以上の出席で決議が有効。5人出席したとすると、過半数の賛成が必要な決議(共用部分の修繕など)の場合、3人賛成すれば決議できる。ただし出席者による多数決決議は、建替え決議など区分所有権の処分を伴う決議は対象外になる。

    区分所有者が海外に住んでいる場合も、管理が困難になりやすい。改正区分所有法により、海外に住む区分所有者が、所有する国内マンションの管理を国内在住者(法人可)に行わせる「国内管理人制度」が導入される。国内管理人は、集会の招集通知の受領、集会での議決権行使などの権限を有する。マンションの規約で、海外に住む区分所有者には国内管理人の選任を義務付けることもできるようになる。


    ◎再生の手法、建替え以外の選択肢広げる


    建替え決議要件を4分の3に引き下げるのは、▽耐震性不足▽火災安全性不足▽外壁などの剥離で周囲に危険が生じるおそれがある▽給排水管等の腐食で著しく衛生上有害となるおそれがある▽バリアフリー基準に不適合─の、いずれかに該当する場合となる。現行制度では、賃借人がいると賃借人の同意を得ないと建替えが不可能になるが、退去費用など金銭を補償することで賃貸借を終了できる制度が新たに設けられる。

    建物と敷地の一括売却や、建物の取り壊しを行うには、現行制度では区分所有者の全員同意が必要で、建替え以上に困難となっている。そこで建替えと同等の多数決により、①建物・敷地の一括売却②建物の取り壊し③建物を取り壊したうえでの敷地売却─の3つを可能とする制度を創設する。「一棟リノベーション工事」も、現行法では全員同意が必要となっていて事実上困難だったが、これも建替えと同等の多数決で可能になる。

    所管の法務省は、区分所有法の改正案について、24年通常国会への提出を検討している。改正法の施行は早ければ26年中となる見込み。部分的に施行日を分けることはせず、一体で施行する方向で検討する。

    (提供/日刊不動産経済通信)

  • 2024.01.17

    東急、音楽利用できる個室レンタル開業

    東急は、機能特化型の個室をシェアして利用するサービス「roobby(ルービー)」で、第1弾のフィットネス「roobby―fit」に続き、第2弾として歌の練習や楽器演奏に利用できる「roobby―music」を展開する。「fit」と「music」ともに、テストオープンの位置付け。

    「fit」の1号店として昨年4月に開業した「fit 雪が谷大塚」(全7部屋)の1部屋をリニューアルして、2月15日に開業する。「music」の利用料金は1部屋あたり30分200~1100円(別途消費税)で、決済はクレジットカードのみ。「ルービー」は部屋(room)と趣味(hobby)を組み合わせた造語で、東急が提供する趣味の空間を、スマートフォンなどから気軽に予約し利用できるサービス。テレワークの浸透やライフスタイルの変化により、自宅内外で趣味の空間を持ちたいというニーズに応える。

    (提供/日刊不動産経済通信)