不動産市場,2026年
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2026年の不動産市場はどうなる?利上げ・税制改正・転売規制の影響は

執筆者プロフィール

亀梨奈美

株式会社realwave代表取締役。大手不動産会社退社後、不動産ジャーナリストとして独立。
2020年には「わかりにくい不動産を初心者にもわかりやすく」をモットーに、不動産を“伝える”ことに特化した株式会社realwaveを設立。
住宅専門全国紙の記者として活動しながら、不動産会社や銀行、出版社メディアへ多数寄稿。不動産ジャンル書籍の執筆協力なども行う。

2025年も引き続きマンションを中心に価格の上昇が続き、都心部では一般的な収入の世帯では手が届かない水準にまで達しています。一方で、エリアや物件種別によって価格動向に差が生じ、市場の二極化はより鮮明になりました。

2026年は金利上昇や税制改正、転売規制などによって、市場環境が大きく変化する可能性があります。2025年の不動産市場の振り返りとともに、2026年の見通しについて、さくら事務所会長で不動産コンサルタントの長嶋修さんに聞きました。

2025年不動産市場を振り返る

2025 不動産価格指数
出典:国土交通省

2025年も不動産価格は一貫して上昇を続けました。首都圏の新築マンションの平均価格は一時1億円を超え、大阪のマンションの値上がり率は世界の主要都市の中で1位に。金利上昇や少子高齢化、人口減少といった下落要因になり得る要因がありながらも、なぜ不動産価格は上がり続けているのでしょうか。

「これは私の持論ですが、不動産価格が上がり続けている最大の要因は、結局は株価が上がり続けていることにあると思います。日経平均株価が5万円を超えましたが、この水準が続く、あるいは上がるのであれば、首都圏でいえば都心5区、6区あたりの好立地のマンションはさらに価格が上がることになるでしょう。このような市場になってくると、一般の方はとても都心部の不動産を購入できないので、需要はセカンドベスト、サードベストの立地や中古住宅にも波及しています。ベストの立地が都心5区、6区だとすれば、セカンドベストは他の区や都下、他3県でも都心部に出やすい駅近エリアです。ただこうしたエリアもかなり価格が上がっているので、駅近とはいえない徒歩10分、15分あたりのサードベストエリアの需要の高まりが見られ始めたのが2025年です」(長嶋修さん、以下同)

首都圏 中古マンション価格
出典:東日本不動産流通機構

たしかに中古マンション価格は上昇傾向にあるものの、首都圏で見ると東京都区部の上昇率が際立っており、都下・神奈川・千葉・埼玉ではほぼ横ばいです。近畿圏も同様で、大阪府は上昇傾向にあるものの、その他の府県はほぼ横ばい、あるいは価格調整局面に入っているエリアも見られます。

「都心部を中心に価格を上げていく中、『都心部では買えない』『23区では買えない』という人が都下や神奈川、千葉、埼玉に検討エリアを広げていくわけですが、都心部から離れれば離れるほど駅からの距離にはシビアになります。その結果、郊外では需要が集まるエリアが限られ、駅近など条件の良い一部のエリアを除く大半の地域では価格上昇が起きていません。とくに近年は共働き世帯が増え、二人分の通勤を考慮する必要があるうえ、自動車の所有率も年々低下しています。こうした背景から、従来と比べて立地の優位性が高まっているのでしょう」

首都圏 中古戸建て価格
出典:東日本不動産流通機構

一方、中古戸建ての価格は、東京都区部を含め、ほぼ横ばいで推移しています。

「中古戸建ては一足早く需要が停滞し始めましたが、1億円を超えるような高価格帯の建売住宅の売れ行きが伸びているようです。東京23区の新築マンションは平均価格が1億円を超えています。1億円で60㎡・3LDKのマンションを買うなら戸建てのほうがいいと考える人も一定数いるのでしょう。戸建ての需要の高まりは、実はコロナ禍以降から見られています。相場を大きく上げるほどではありませんが、郊外移住や二地域居住を検討する層も増えている印象です」

賃料 推移
出典:アットホーム調べ

2025年は、マンションの価格だけでなく賃料の上昇も顕著に見られた1年でした。東京23区以外の主要地方都市でも前年比10%前後の賃料上昇が見られ、賃貸市場全体に上昇圧力がかかっています。

「インフレや不動産価格の高騰が主な要因ですが、賃料の上昇には遅効性があります。賃料は更新や新規募集のタイミングで改定されるため、価格の上昇から2〜3年遅れて上がる傾向にあることから、2026年は都市部を中心にもう一段の賃料上昇があるのではないでしょうか」

2026年不動産市場はどうなる?

日本銀行は2025年末、金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げることを決定しました。政策金利は30年ぶりの高水準となります。日銀の植田総裁は、年始にも利上げを継続する方針を強調しました。10年物国債の表面利率は2%を超え、1998年以来の水準になっています。こうした状況を受け、とくに固定系の住宅ローン金利が上がっているものの、不動産価格は上昇を続けています。2026年も、住宅ローン金利の上昇が不動産価格に影響することはないのでしょうか。

「住宅ローンを利用する人の約8割が選ぶ変動金利は、大きく金利を上げていません。利上げを受け0.25%前後の上昇はあるでしょうが、都心部の富裕層や国内外の投資家が購入するようなマンションはほぼ影響を受けないでしょう。一方、住宅ローン比率が高い低価格から中価格帯の不動産は少なからず影響を受ける可能性がありますが、年末の税制改正大綱に住宅ローン控除の延長が盛り込まれました。国会の本会議で可決されれば、1月1日に遡って適用されることになります。中古住宅については大幅拡充が見込まれており、金利上昇の影響を帳消しにするほどの効果になる可能性があります」

住宅ローン減税 改正
出典:国土交通省

2025年12月19日、政府・与党から2026年度税制改正大綱が公表されました。長嶋さんの指摘のとおり、中古住宅の借入限度額や控除期間は大幅に拡充する見込みです。従来まで中古住宅の控除期間は10年、最大借入限度額は3,000万円でしたが、控除期間は新築同様、最長13年、最大借入限度額は新築並みの4,500万円まで拡充されます。また条件付きですが、床面積要件も「50㎡以上」から「40㎡以上」に緩和されます。

「もちろん立地は選びますが、40㎡〜50㎡のマンションは間違いなく価格が上がると思います。今までゼロだった控除額が数百万円となるため、これまで控除の関係で50㎡以上を選んでいた層が流れてくる可能性があります。ただこうした改正が認識され、市場に浸透するまでには一定の時間がかかりますから、40㎡台のマンションは改正直後が狙い目かもしれませんね」

マンション短期売買 推移
出典:国土交通省

国土交通省によれば、新築マンションの短期転売比率や外国籍の方による新築マンションの取得が局所的に増加しているといいます。千代田区は2025年7月、投機目的のマンション取引の増加による過度な住宅価格や賃料の高騰などを危惧し、不動産協会に対し、新築マンションの転売規制などを要請しました。一部のデベロッパーは、引き渡し前の転売を禁止するなどの対応を見せています。こうした層の購入を抑制することで、不動産価格が下がることはあるのでしょうか。

「行き過ぎたバブルのようなものが抑制される可能性はあると思いますが、ほとんど影響はないでしょう。外国人や転売目的の方は購入層の一部です。こうした層が購入できなくなっても、それを補って余りあるだけの需要の層が控えています

2026年狙い目の不動産は

2026 不動産 狙い目

長嶋さんによれば、2025年はベストな立地に次ぐセカンドベストやサードベストの不動産の需要が高まったといいますが、2026年はさらなるエリアの拡大が見られるのでしょうか。

「おそらく、今回は郊外やバス便エリアまで需要が広がることはないと思います。90年代のバブル期と現在では人口や世帯数が異なるからです。首都圏でいえば、23区内の徒歩15分までのエリア、他三県であれば、柏市や流山市、さいたま市、越谷市、神奈川県は田園都市線や東横線を超えたあたりまでの徒歩10分圏内まで。こうしたエリアは大きく価格が上がることはなくても、中長期的にも安定した需要が見込まれるはずです」

マンションの賃料も上昇が続くとなると賃貸住宅住まいの方が気になるのが「持ち家を買うべきかどうか」でしょう。

経済合理性を考えれば、前述のサードベスト以上の立地に住み続けるなら購入してしまったほうがいいと思います。それ以外の場所であれば特に購入を急ぐ必要はないでしょう。とはいえ、経済合理性だけを考えて住む場所を決めるわけではないはずです。必ずしも利便性の高い場所に住まなければならないわけでもありません。働き方、暮らし方の変化によって、住まいに対する価値観も大きく変化しつつあります。自然に囲まれた場所もいいですし、近年は二地域居住も推進されています。『幸せな暮らし』の定義はありません。

一昔前まで多くの方は中古住宅に抵抗感があり『新築が買えない人が買うもの』といった認識すらありましたが、今ではそのように感じる人はほぼいないでしょう。リフォームやリノベーション、ホームインスペクションなどもかなり一般的になってきました。同じところに住み続けなければならないわけでもありません。『都心に住まなければならない』『中古より新築』『賃貸より持ち家』という思い込みやイメージを捨て、自分たちが豊かに暮らしていける住まいを選んでいただきたいですね」

まとめ

2026年も不動産価格の高騰が見込まれるものの、すでに上昇が頭打ちになっているエリアも見られます。金利上昇は懸念材料ではあるものの、中古住宅の住宅ローン控除の拡充や賃料の上昇といった要素を踏まえれば、エリアや条件によっては購入を検討しやすい局面にあるともいえるでしょう。市況や住宅ローン金利に加え、自分たちの暮らし方に合った選択かどうかを基準にした住まい選びが、満足度の高い選択につながります。

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