中古戸建成約価格、3ヶ月ぶりに下落
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は10月10日、2025年9月度首都圏(一都三県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション、中古戸建ともに成約件数は引き続き大幅に増加したものの、中古戸建の成約価格は3ヶ月ぶりに下落に転じました。一方、中古マンションの成約平米単価は65ヶ月連続で上昇しています。
首都圏中古マンション
| 項目 | 2025年9月成約物件の平均 | 対前年同月 |
|---|---|---|
| 平米単価 | 85.18万円/㎡ | +12.3% |
| 件数 | 4,475件 | +46.9% |
| 価格 | 5,352万円 | +10.1% |
| 専有面積 | 62.83㎡ | -2.0% |
| 築年数 | 26.26年 | +1.39年 |
| 在庫件数 | 43,850件 | -3.4% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2025年9月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+12.3%の「85.18万円/㎡」でした。平米単価の上昇は65ヶ月連続です。成約件数も同+46.9%と大幅に増加し、在庫件数は2ヶ月連続で減少しています。
| エリア | 2025年9月成約㎡単価前年同月比 | 2025年9月成約件数前年同月比 |
|---|---|---|
| 東京都区部 | +14.6% | +56.6% |
| 東京都多摩 | +3.0% | +60.9% |
| 横浜・川崎市 | +5.0% | +45.0% |
| 上記除く 神奈川県 |
-0.8% | +36.0% |
| 埼玉県 | -2.1% | +50.5% |
| 千葉県 | -5.1% | +13.8% |
(参考:東日本不動産流通機構)
首都圏全域では成約平米単価が10%を超える上昇を見せたものの、エリア別では10%以上上昇したのは東京都区部のみ。横浜・川崎市を除く神奈川県、埼玉県、千葉県では下落しています。成約件数は全域で増加が見られましたが、千葉県の増加率は10%強と他のエリアと比較して小さい伸び率です。
首都圏中古戸建
| 項目 | 2025年9月成約物件の平均 | 対前年同月 |
|---|---|---|
| 価格 | 3,906万円 | -3.8% |
| 件数 | 1,986件 | +55.0% |
| 土地面積 | 142.85㎡ | +2.3% |
| 建物面積 | 102.62㎡ | -1.1% |
| 築年数 | 24.73年 | +2.68年 |
| 在庫件数 | 23,538件 | +5.3% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2025年9月に成約した首都圏中古戸建の平均価格は、前年同月比-3.8%の「3,906万円」でした。成約件数は同+55.0%と引き続き大幅に増加し、在庫件数の増加率も縮小傾向にありますが、成約価格は3ヶ月ぶりに下落に転じています。
| エリア | 2025年9月成約㎡単価前年同月比 | 2025年9月成約件数前年同月比 |
|---|---|---|
| 東京都区部 | -1.1% | +30.7% |
| 東京都多摩 | +5.5% | +30.7% |
| 横浜・川崎市 | -5.5% | +87.5% |
| 上記除く 神奈川県 |
-2.9% | +76.5% |
| 埼玉県 | -6.4% | +83.1% |
| 千葉県 | +5.0% | +39.6% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約価格が上昇したのは東京都多摩と千葉県のみで、東京都区部では5ヶ月ぶりに下落に転じています。横浜市・川崎市は2ヶ月連続の下落で、左記を除く神奈川県の下落は7ヶ月連続です。一方、成約件数は全域で大幅に増加しました。
“注目”の不動産ニュース
「GX ZEH(ジーエックス ゼッチ)」を新定義
経済産業省は9月26日、住宅の省エネルギー性能を牽引する「ZEH(ゼッチ)」の新しい定義となる「GX ZEH(ジーエックスゼッチ)」の概要などを公表しました。
ZEHとは
出典:経済産業省資源エネルギー庁「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について」
現行のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの住宅を指します。2025年4月からすべての新築住宅に省エネ基準適合が求められていますが、ZEHは現行の省エネ基準より性能が高く、省エネ基準における断熱等性能等級は「4」のところZEHは「5」、一次エネルギー消費量等級は省エネ基準が「4」のところZEHが「6」です。省エネ基準は、2030年までにZEH水準まで引き上げられる予定となっています。
GX ZEHとは
GX ZEH は「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギー等を導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」と定義されています。
戸建て住宅は、基本的に次の①〜④すべてに適合する必要があります。
- 外皮性能は、断熱等性能等級6における UA値[W/m2K]及びηAC値[-]の基準を満たす
- 再生可能エネルギー等を除き、基準一次エネルギー消費量から35%以上の一次エネルギー消費量削減
- 再生可能エネルギーを導入
- 再生可能エネルギー等を加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上115%未満の一次エネルギー消費量削減
GX ZEHは2027年4月以降に適用される見込みで、現行基準での認証は2028年3月末までとなります。