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【自由が丘】背すじが伸び、所作が丁寧になる感覚を楽しむ。時間の積み重ねに想いを馳せる、自由が丘での暮らし

いつかは住んでみたい憧れの街として、なんとなく自由が丘をイメージすることがよくありました。

それはあくまでも「なんとなく」であって、「洗練されているから」「住みたい街として人気だから」という他人からの受け売りのイメージだけが自分の中で一人歩きしていて、つまりは街に対する解像度が低かったのです。

自由が丘の駅を出た私は、容赦なく降り注ぐ日差しから逃げ、涼しさを求めて古民家カフェ『古桑庵』に入りました。

『古桑庵』とは、桑の古材を使用した茶室として、夏目漱石の長女の婿である小説家・松岡譲が命名。聞くと、店主の祖父と松岡譲はテニス仲間で、彼が東京に来たときにはよくここを宿にしていたのだそう。

広々とした畳の間には、店主の祖父が集めた骨董品や民芸品がちらほら。自由が丘の持つ都会的なイメージとは異なる空間のため、時間を忘れてぼんやりとしていたら、注文していた「あんみつ」がテーブルにやってきました。

贅沢に盛り付けられたフルーツに気持ちがパッと明るくなります。フルーツは季節によって旬のものを使用しているらしく、この日は「すいか」「キウイ」「ルビーグレープフルーツ」。

黒蜜を垂らす時間はまるでご褒美のよう。早く食べたいなと思いながら、あえて焦らすようにゆっくり回し入れてしまう。

美味しい、なんて分かり切ったことを言うのは野暮かもしれない。口いっぱいに広がる夏を全力で楽しみながら、ゆっくり食べ進める。少しでも長くこの幸せな時間を堪能するために。

窓から見える日本庭園を眺めながら、窓際の席にしたのは正解だったなと確信しました。こんな時間、都会ではなかなか過ごせません。

夏真っ盛りの、あのうだるような暑さも、この時間のための前フリだと思ったら、少し許せる気がしました。

都会の喧騒から離れた静かな空間だからか、時間の流れもゆっくりに感じます。心なしか、いつもより所作が丁寧になってしまう。でもそれを堅苦しくは感じず、むしろリラックスした心持ちで過ごせてしまうのが、『古桑庵』の魅力なのかもしれません。

再び街へと出ます。散策をしていたら、またしても素敵な空間を発見しました。

建物全体が植物に覆われている、二階建ての一軒家のお店『BROCANTE』。フランスのアンティーク家具や雑貨を中心に扱う一階と、植物や日用品を扱う二階に分かれています。

フランスから買い付けられた古物が並ぶ一階。一つひとつの商品の美しさはもちろん、それらが集まった空間としての調和に引き込まれました。

アンティークには、時代を超えて長く使い込まれてきたモノにしかない美しさがあるように感じます。使うために生まれたモノが、使うことで、使い続けることで、美しくなっていく。「それ」自体への美しさすら感じさせてくれるこの空間的魅力は、きっと店主の目利き力でもあるのでしょう。

店名である『BROCANTE』は、フランス語で「美しいガラクタ」を語源に持つ言葉なのだそうです。

続いて、外階段を上がり、二階へ向かいます。

シャビーシックな雰囲気の一階とは打って変わり、色味も明るく、カジュアルな二階。ジャムなどの食品、アロマなどの日用品に加え、植物やガーデニング用品が整然と並ぶ様子は、まるでライフスタイル系のセレクトショップのようです。

思わず手に取りたくなる商品が多く、さまざまなモノに目移りしてしまいます。

店内のアクセントになっているのは、鮮やかなグリーンを放つ植物の数々。鉢が違うだけで植物の印象ってまったく変わるのだなあと驚きました。ここには、かわいい鉢もたくさんあるので、自分の部屋の雰囲気に合わせて、好みの鉢を購入するのも良さそう。

ガーデニンググッズも、無機質なものではなく、可愛らしいカラーリングのモノがあるようです。植物との暮らしが楽しくなるような、気分を上げてくれる素敵な空間だなと思いました。

最後に、自由が丘で出会った物件をご紹介します。

まずは、ディアナガーデン自由が丘。

そして、プラウド自由が丘。

ゆとりと、余白のある広々としたエントランスが嬉しいですね。

都会的で、洗練されたイメージのある街は、暮らすとなるとずっと気を張って疲れてしまうかもしれないと、初めは思っていました。ところが、自由が丘は想像していたよりも、肩の力を抜ける街でした。

自由が丘に対する、そうした「憧れ」から来るイメージは、言わば「動」であって、今日見つけたお店は「静」にあたるのでしょう。もちろん、街全体に流れる洗練されたイメージは変わりませんが、「都会的」と「リラックス」は共存するのだなあと、今日を通して思ったのでした。それと同時に、どんな街でも、必要以上に構えずにまず飛び込んでみれば、自然と自分の形にフィットした暮らしが見つかるのではないかという気も。

自由が丘はやっぱり、いつかは住んでみたい憧れの街でした。

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