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家の買換えで知っておきたいことを解説!住み替えローンやつなぎ融資についても紹介

家族構成の変化や職場・学校の変化などに合わせて、家を買換える必要が生じることがあります。一戸建てを選ぶべきか、マンションを選ぶべきか、購入を先にすべきか、売却を先にすべきかと迷うポイントはたくさんあります。

この記事では、一戸建てとマンションのメリットとデメリットを紹介します。ご自身とご家族に合う家を見つけるヒントにしてください。

また、購入を先にする場合と売却を先にする場合において、それぞれのメリットとデメリットについても説明します。購入する際、売却する際の注意点も紹介するので、ぜひ納得できる買換えの実現にお役立てください。

家を買換える前に知っておきたいこと

子どもが成長すると、個室が必要になることがあります。また、さらに成長して独立すると、個室よりは広いリビングや段差のないバリアフリーの環境などが、必要になるでしょう。

そのほかにも、転職や仕事環境の変化、両親と同居や老人施設への引っ越し、自分たちの加齢によって住み替えするケースがあります。

家族から「部屋が狭い」、「住環境を改善したい」、「今の家が古い」などの声が聞かれたときは、買換えのタイミングです。

買換える前に、次の2点について知っておきましょう。

住宅ローンが残っていても家を買換えられる

現在の住宅に住宅ローンが残っている場合でも、家の買換えは可能です。

ただし、売却する際には家の所有者が変わるため、住宅ローンを清算して抵当権設定を外しておく必要があります。

家を売却した代金が住宅ローンの残高よりも多ければ、売却した代金で住宅ローンを清算でき、買換えをスムーズに進めることができます。

また、売却額が住宅ローンの残高より少ないときは、住み替えローンなどを利用することで差額分を借り入れ、現在の家のローンを清算して新しい住宅を購入することは可能です。詳しくは後述します。

一戸建てからマンション、マンションから一戸建てへ買換えることも

ライフスタイルに合わせて、住居形態を変えることもあります。

一戸建て住宅からマンションに替えることで現在の家族の暮らしやすさを向上することもできますが、反対に、マンションから一戸建て住宅に替えるほうが、よいこともあります。

どちらにすべきか迷ったときは、一戸建て住宅とマンションのメリットとデメリットを比較してみてはいかがでしょうか。

次項でそれぞれのメリットとデメリットを紹介するので、参考にしてください。

一戸建て住宅のメリットとデメリット

一戸建て住宅に暮らすメリットとしては、次の2点を挙げられます。

  • 上下階を気にせずに生活できる
  • 自分だけの住居という感覚を得られる

子どもたちが幼く、家のなかを走り回る音が気になるときは、一戸建て住宅のほうがよいかもしれません。

また、家族だけの住居を確保したい方にも、一戸建て住宅がおすすめです。「自分たちの城」という感覚を得られます。

一方で、一戸建て住宅には次のようなデメリットもあります。

  • 建物を修繕するときにまとまった費用が必要になる
  • セキュリティに対して不安に感じることもある

マンションと比べると一戸建て住宅は広いことが多く、修繕にまとまった費用がかかりがちです。

庭や玄関なども自分自身の所有物なので、定期的にお金をかけてメンテナンスする必要があるでしょう。

また、外部から入り込める場所が多いことも、一戸建て住宅のデメリットといえるでしょう。

マンションとは異なり、玄関だけでなく庭や窓などからも入りやすいので、セキュリティ面に不安を感じるかもしれません。

特に、子どもだけになる瞬間や独りきりになる瞬間は不安を感じることでしょう。

マンションであれば建物内に管理人や自分以外の住人もいるので、一戸建て住宅に比べると不安を感じにくいと考えられます。

マンションのメリットとデメリット

次に、マンションのメリットについて見ていきましょう。

主なメリットとしては、次の4点を挙げられます。

  • 共用部分の管理を業者に任せられる
  • オートロックなど、セキュリティ面で安心しやすい
  • 室内がフラットでバリアフリー仕様のことが多い
  • マンション内でコミュニティが形成されている

共用玄関や庭、通路などは業者に管理を任せられるので、手間がかからないというメリットがあります。

しかも、共用玄関には監視カメラが設置されていることが多いので、セキュリティ面で安心を感じやすいでしょう。

オートロックなどのシステムも、セキュリティ対策に役立ちます。

また、メゾネットタイプやロフト付きの物件以外は、室内がフラットで移動が簡単です。

バリアフリー仕様であることも多く、年齢を問わず暮らしやすいでしょう。

マンション内にコミュニティが形成されている点もメリットです。

より良い生活を実現するために、住民たちが協力してマンションの修繕や管理などを進めていけます。

顔見知りになれば、防犯対策にも役立つでしょう。

しかし、メリットも多い半面、デメリットもあります。

  • 上下左右の住戸音
  • ランニングコストが毎月発生する

上下左右から居住する音が聞こえることが、気になる方もいるかもしれません。

音が聞こえるということは、自分たちの生活音も周囲に聞こえているため、音を立てないように気を使って生活する必要があります。

特に小さな子どもがいる家庭や楽器・音楽鑑賞を趣味とする方は、音を気にして生活する必要が生じるかもしれません。

また、管理費や修繕積立金、駐車場代などのランニングコストが毎月発生することもデメリットです。

特に住宅ローンを支払っているときには、住居にかかる費用が多すぎて負担に感じることもあるでしょう。

家を買換える方法は2つ!

家を買換える方法は「買い先行」か「売り先行」のいずれかです。それぞれの特徴やメリット、デメリットについて紹介します。

買い先行で家を買換える

買い先行とは、新居の購入契約を結んでから、今の家を売りに出すことです。

買い先行を選ぶときは、すでに新しい住居に暮らしているので、時間をかけてゆっくりと売却できるというメリットがあります。

売却する期限が決まっているときには売り急いで割安な価格で取引してしまう恐れがありますが、特に期限が決まっていないのであれば、納得できる価格で売れるまでじっくりと買い手を探せるでしょう。

ただし、現在暮らしている住宅にローンが残っている場合は、資金計画が難しくなることもあります。

また、予定したよりも売却価格が低くなったときは、資金計画の変更を余儀なくされることもあるでしょう。

売り先行で家を買換える

売り先行とは、家の売却先が決まってから、新居の購入を進めることです。

売り先行では売却してから新居を購入するので、資金計画を立てやすいというメリットがあります。

ただし、売却後にすぐに住宅が見つからない場合は、仮住まいをすることになります。

仮住まいとなると、家賃が発生するだけでなく、現在の住居から仮住まい、仮住まいから新居へと引越しを2回することになり、大きな出費になるでしょう。

できれば仮住まいをせずに買換えできるよう、売るタイミングと買うタイミングを調整しましょう。

資金面で失敗しないように計画的に行動する

買換えをするときには資金計画が大切です。買換えを始める前に知っておきたいことをまとめて解説します。

売却代金で住宅ローンを一括返済するのが基本的

住宅ローンが残っているときは、住宅に抵当権が設定されています。

そのままでは売却できないので、売却代金で住宅ローンを完済するのが基本です。売却代金は、できる限り住宅ローンの残高よりも高額に設定しましょう。

住み替えローンの利用条件を確認する

住宅を売却する前に、不動産会社で売却価格を見積もってもらいます。見積額が住宅ローンの残高よりも低く、売却代金で一括返済できないときは、住み替えローンを検討してみましょう。

住み替えローンとは、その名のとおり、住み替え(家の買換え)の際に利用できるローンで、現在の住宅ローンの残債と新居の借入費用の両方に対応できます。

ローンは1つのみなので、返済管理しやすいのも住み替えローンの特徴です。

売り先行の場合はつなぎ融資も検討する

つなぎ融資とは、住宅ローンが実行されるまでに必要な資金に対しての融資のことです。売り先行で、売却価格よりも住宅ローンの残高が多いときに利用できます。なお、つなぎ融資は住宅ローンで借り入れた資金で完済します。

買換えにかかる税金を確認する

購入時には、売買契約に対しての印紙税、所有権移転登記の際の登録免許税、不動産取得税がかかります。住宅ローンを利用する場合は、ローン契約に対しての印紙税と抵当権設定登記の際の登録免許税も必要です。

一方、売却時には売買契約に対しての印紙税、譲渡所得税、住民税がかかります。譲渡所得税とは譲渡(売却)によって利益が生じたときのみ納付します。そのため、手数料なども含めて5,000万円で購入した住宅を4,000万円で売却した場合には、譲渡所得税は発生しません。

  • 課税所得額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除

特例適用で節税できることもある

さまざまな特例が適用されることで、節税できることがあります。

例えば、購入した価格よりも高額で売却した場合も、売却直前までご自身が住まれていた住宅、もしくはご自身が住まなくなってから3年以内の住宅の場合は特別控除が適用されるため、譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得税は課税されません。

また、マイホームの売却時の課税所得額がマイナスになるときは、損失分を給与などのほかの所得から控除することで、所得税や住民税を節税することができます。

家を売却するポイント

住宅を少しでも好条件で売却することで、ローンによる借入額を減らすことができます。近隣の相場の確認することと内覧対応の2つのポイントを押さえて、売却を進めていきましょう。

近隣の住宅相場(一戸建て、マンション)を確認する

近隣の住宅相場を確認し、妥当な金額で売りに出すようにしましょう。売却価格の設定を過度に高く見込むとなかなか売れず、場合によっては仮住まいが必要となり、かえって支出が増えることもあります。

内覧の対応をしっかりと行う

購入希望者が内覧するときには、掃除を丁寧にすることで印象をよくするようにしましょう。特に水回りは汚れが目立ちやすいので丁寧に掃除をします。あまりにも汚れがひどい場合は、ホームクリーニングも検討しましょう。

家を購入するポイント

買換えは売却と購入の双方がうまくいかなくては成功とはいえません。家を購入するときは、管理状況と資金計画の2つを押さえておきましょう。

家の管理状況を確認する

住宅を購入するときは、間取りや立地、築年数だけでなく管理状況も確認しましょう。

また、住宅をチェックするポイントにおいて優先順位を決めておくと、スムーズに購入できます。

購入後の資金計画を立てる

購入と売却を同じ不動産会社に依頼すると、資金面がスムーズに運びやすくなります。

できれば1つの不動産会社で買換えを進めていきましょう。

家の買換えについてのまとめ

一戸建てを選ぶべきか、マンションを選ぶべきか、購入を先にすべきか、売却を先にすべきかについては、家族の希望やご事情に合わせてよく検討することが大切です。

それぞれのメリット、デメリットを踏まえ、1つの不動産会社で進めると、スムーズな買換えを実施しやすくなるでしょう。

この記事の監修

安田 亮
資格情報: 公認会計士、税理士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士

神戸市中央区で「安田亮公認会計士・税理士事務所」を開業している公認会計士・税理士。
大手監査法人で約4年間、東証一部上場企業で6年間勤務した後に独立開業。
税理士として法人企業や個人事業主の方の決算・申告はもちろんのこと、大家業を営まれている方の不動産所得や譲渡所得の申告を数多くこなす。また、1級FP技能士の資格も保有しており、個人のお金・家計・税金分野についても強みを持つ。

この記事のポイント

住宅ローンが残っていても買換えは可能ですか?

住宅ローンが残っている場合でも、家を買換えることは可能です。
ただし、売却する際には住宅ローンを清算して抵当権設定を外しておく必要があります。

詳しくは「住宅ローンが残っていても家を買換えられる」をご確認ください。

買い先行で家を買換えるメリット・デメリットとは?

買い先行で家を買換えることのメリットは、新居で暮らしながら、時間をかけて自分のペースで売却活動が進められる点にあります。
一方、売却価格が思っていた額より低くなった場合は、資金計画を変更する必要が出てくることもあります。このような点がデメリットと言えるでしょう。

詳しくは「買い先行で家を買換える」をご確認ください。

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