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2025.07.15

#不動産投資#投資戦略#資産運用

不動産投資でFIREを目指すには? 必要な資産の目安と実現戦略を解説

不動産投資でFIREを目指すには? 必要な資産の目安と実現戦略を解説

ざっくり要約!

  • FIREには、収入のスタイルや資産形成の計画によって複数の実現方法がある。
  • FIREを達成するためには早期からの投資開始など段階的な戦略が有効。

昨今では、将来の働き方や暮らし方を見直す中で、「FIRE(経済的自立と早期退職)」を目指す人が増えています。FIREを実現するための方法はいくつか考えられますが、不労所得を得られる現実的な手段として注目されているのが「不動産投資」です。

しかし、不動産投資でFIREを達成するためには、資産はいくら必要なのか、本当に実現できるのか、リスクはないのかなど、多くの方が疑問や不安を抱えています。

この記事では、不動産投資でFIREを目指すための資産の目安や戦略、注意すべきポイントなどを解説します。

不動産投資でFIREとはどういうこと?

FIREは「Financial Independence Retire Early」の略語です。経済的に自立し、早期に会社員生活から卒業するという新しいライフスタイルのことを指しています。

ただ、完全に仕事を辞めることだけがFIREではなく、ライフスタイルによってFIREの形もいくつかに分かれます。まずは、FIREの種類ごとの特徴を理解し、自分に合ったスタイルを見つけることが重要です。

アーリーリタイア

アーリーリタイアとは、十分な資産や収入を得ることで、定年を待たずに完全リタイアを実現するFIREの王道スタイルです。主に不労所得だけで生活費をまかない、働かなくても生活に困らない経済基盤を築くことが前提となります。

不動産投資をその手段とするのであれば、毎月の家賃収入を安定させて、生活費をカバーする仕組みを作ることが求められます。高度な資産形成を目指すことになるので、実現するためには計画的な投資とリスク管理が必要です。

サイドFIRE

サイドFIREは、生活費の一部を不労所得で補いながら、必要に応じて短時間の労働や副業を続けるスタイルです。不動産投資による収入があれば、フルタイムで働かなくても生活に余裕が生まれ、働き方の自由度が高まります。

完全なリタイアは難しいとしても、精神的・時間的なゆとりを得やすい点が魅力です。家庭やライフスタイルを重視しつつ、現実的なFIREを目指す人に適したアプローチと言えます。

スローFIRE

スローFIREは、無理なく長期的にFIREを目指すスタイルで、貯蓄や投資を少しずつ積み重ねながら、段階的に経済的自由を実現していきます。不動産投資をその手段とする場合は、初期は区分マンションなどの小規模投資から始め、徐々に物件数や投資規模を拡大していくのが現実的です。

メディアなどで目にするような派手さはありませんが、再現性が高く、多くの人が実践しやすい堅実なやり方です。着実に資産を育てながらFIREに近づく戦略と言えるでしょう。

不動産投資でFIREは可能か? 必要な資産の目安

FIREを目指すうえで、誰もが気になるポイントは「どれだけの資産があれば実現できるのか」ということです。FIREを目指して不動産投資をするならば、収入と支出のバランスをもとに、どの程度の投資規模に至れば達成できるのか、具体的に把握しておくことが重要です。

FIREを実現するための資産設計としてよく使われる「年間支出の25倍」や「4%ルール」について解説します。

保有資産の目安は年間支出の25倍

FIRE達成の資産目安としてよく使われる基準の一つは「年間支出の25倍の資産を保有する」という考え方です。例えば年間の支出が300万円であれば、7,500万円の資産を保有していれば、机上の計算ではFIREが可能という計算になります。

これは、貯金などの保有資産を取り崩さずに生活費をまかなえるかどうかの目安です。不動産投資に置き換えると、家賃収入の金額がこの「支出をまかなう収益源」ということになります。まずは支出額を明確にすることが、FIRE実現の第一歩です。

「4%ルール」とは?

「4%ルール」とは、年間支出を資産総額の4%以内に抑えれば、資産を維持しながら生活できるという考え方です。これはアメリカでの研究をもとにした資産運用の目安で、株式や債券による資産運用を前提にしていますが、不動産投資にも応用できます。

ただし、このルールを不動産投資に適用する際は単に物件の利回りが4%以上あればいいというわけではない点に注意が必要です。自身の年間支出額に対して、その支出を賄えるだけの総資産を不動産投資で築くことができるかが重要です。そのためには、実質利回りやキャッシュフローを重視し、空室や修繕などのリスクも加味した指標を用いた収支シミュレーションが必要になります。

不動産投資でFIREを目指すための実現戦略

不動産投資 FIRE 戦略

FIREを実現するためには、単に物件を購入・運用して家賃収入を得るだけでなく、長期的な視野と戦略的な思考が欠かせません。不動産投資によってFIREを目指すために実践すべき具体的なステップを紹介します。

不動産投資の知識を身につける

不動産投資は、ローンや税制・法令・賃貸管理など、多くの知識が求められる資産運用です。知識がなければ、業者の提案に依存しすぎたり、リスクを見落としたりして、思わぬ損失を招く可能性もあります。

不動産投資を成功させるためには、書籍やセミナーなどを通じて、基礎から応用まで幅広く学ぶ姿勢が必要です。多数ある情報の中から信頼できるものを自分で選び取れるようになることが、成功への第一歩となります。

・「不動産投資 勉強方法」に関する記事はこちら
不動産投資の勉強方法は? 効率的に学ぶ4つの方法

早いうちに投資を始める

FIREを目指すうえで最も大事になるのは、資産を構築するための時間です。早くから投資を始めることで、家賃収入の積み上げや資産価値の上昇、ローン返済の進捗など、複数の面で恩恵を受けられます。

特に若いうちは銀行から融資を引き出しやすく、長期間にわたるキャッシュフローの安定を実現できます。達成に向けた完璧なタイミングを待つよりも、まずは小さく始めて実績を積み上げていくことが、FIRE実現への近道です。

利回りだけで不動産を選ばない

FIREを実現するためには、とにかく利益を増やさなくてはならないため、高利回りをうたう物件に飛びついてしまう方も多いものです。しかし、運用物件を選ぶ際に表面利回りだけを見ていると、リスクを見落としがちになります。

FIREの土台となる着実な資産拡大を実現するためには、物件の立地や築年数、周辺エリアの住宅需要、修繕リスクなど様々な要素に加えて「実質利回り」を見極める必要があります。

・「不動産投資 利回り」に関する記事はこちら
不動産投資の理想的な利回りは?計算方法と物件選びのポイントを紹介

キャッシュフローを重視する

FIREを実現するためには、資産規模を拡大するだけではなく、毎月の生活を支える安定的なキャッシュフローの確保が不可欠です。ローン返済後に残る手取りの収入や、将来の修繕費、空室リスクを加味した実質の収支を見て判断する必要があります。

家賃が下がりにくく、長く住んでもらえるような物件選びを意識することで、キャッシュフローの安定性が高まるでしょう。

徐々に規模を拡大する

最初は小さな区分マンションなどから始めるのも一つの手ですが、FIREを目指すなら、将来的には一棟アパートや一棟マンションなど、規模の大きい物件へステップアップすることが有効です。

一棟もの物件を運用すれば、空室リスクを分散可能であり、管理経費や必要業務の効率化も図れるため収益性が向上します。また、資産規模が大きくなるほど、金融機関の評価も上がるため融資審査で有利になりやすく、資産形成のスピードも加速していきます。

定期的にポートフォリオを見直す

FIREを目指すプロセスにおいては、保有物件の収益性や市場環境の変化に応じて、定期的にポートフォリオを見直すことが欠かせません。不動産市場は景気や金利、地域の人口動態などの影響を受けやすいものです。また、不動産投資をすると、物件の築年数や設備状況によっても収益性は変動します。

このため、収益源を不動産投資に限定せず、家賃収入の二次運用として、株式投資やインデックスファンドなど他の資産運用と組み合わせてリスク分散を図るのも有効です。将来の生活資金を安定させるためにも、定期的に資産全体のバランス調整をすることが重要になります。

不動産投資でFIREを目指す際の注意点とリスク

不動産投資は安定収入を得やすい手段の一つですが、他の投資と同様にリスクもあります。FIREの実現を急ぐあまり無理な投資に手を出してしまうと、逆に不安定な状況を招くことにもなりかねません。不動産投資に伴う代表的なリスクと、それを回避・軽減するための考え方を解説します。

過度なレバレッジはリスクに

不動産投資は、ローンを活用することで、自己資金を抑えながら大きな投資が可能になる資産運用です。しかし、変動金利のローンを利用すると特に、金利変動の影響を受けやすくなります。

変動金利のローンを利用していると、金利が上昇したときに支払金利が増えるため、キャッシュフローが圧迫されるリスクがあります。2025年時点では、経済環境の変化によって変動金利型ローンの利率が上がる可能性もあるため、借入額の上限や返済比率を慎重に見極めることが重要です。

ローンを利用したレバレッジ投資はあくまで「手段の一つ」であり、必ずしもFIREの本質というわけではありません。

・「レバレッジ」に関する記事はこちら
不動産投資の「レバレッジ効果」とは?

インフレも考慮する

インフレが進行すると、生活費が上昇するため、FIRE達成後の生活設計にも影響が出てきます。不動産投資は物価連動性のある資産運用であり、世間的にインフレが起これば、保有する物件の資産価値も上がっていくものです。

このため、インフレによるリスクヘッジの効果も期待できますが、家賃相場が必ずしも物価と同じペースで上昇するとは限りません。

また、資産価値や物件評価額が上がっていく一方で、運用上の支出となる物件の修繕費や管理コスト、そして生活費も上昇する可能性があります。将来的な支出の増加も想定したうえで、余裕のある資金計画を立てておくことが重要です。

自然災害・空室・滞納などのリスクにも注意

不動産投資において無視できないのが、自然災害や空室、家賃滞納といった突発的なリスクです。特に日本は地震や台風のリスクが高く、地域によっては浸水被害なども起こり得ます。

また、立地や物件の管理状態によっては、空室が長引くこともあるでしょう。突発的なリスクに備えるためには、火災保険・地震保険の加入、エリアの分散を意識した物件選び、入居者管理の徹底などが重要です。長期的に収入を安定させるためには、こうしたリスクを最初から織り込んだ投資判断が求められます。

・「不動産投資のリスク」に関する記事はこちら
不動産投資の6大リスク一覧!未然に防ぐ方法とは?

まとめ

不動産投資は、FIRE(経済的自立と早期退職)を目指すうえで重要な、安定的なキャッシュフローを生む有効な手段です。FIREのスタイルや必要な資産の目安を理解し、段階的に戦略を実行していくことで実現が可能になります。

一方で、失敗しないためには、過度なローン借り入れや金利上昇、自然災害などのリスクも考慮し、慎重な資金計画やリスク分散などが欠かせません。また、他の資産運用と組み合わせたポートフォリオの構築も重要です。計画的に取り組めば、理想のライフスタイルに近づけるでしょう。

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ワンポイントアドバイス

不動産投資はあくまでもFIREを達成するための一つの方法に過ぎません。「不動産投資=ゴール」ではなく、「不動産をどう活用して自由な生き方を設計するか」という視点が重要です。

表面利回りや物件の数だけにとらわれず、他の資産運用も組み合わせながら、自分の理想の生活スタイルに合った資産設計を心がけましょう。FIREを達成した後も学び続け、柔軟に方向修正できる考え方が、真の経済的自由を支える基盤になります。

この記事のポイント

Q. 不動産投資でFIREするとはどういうことですか?

A. FIREは「Financial Independence Retire Early」の略語です。経済的に自立し、早期に会社員生活から卒業するという新しいライフスタイルのことを指しています。詳しくは「不動産投資でFIREとはどういうこと?」をご覧ください。


 Q. 不動産投資でFIREすることは可能でしょうか?

A. FIREを目指すうえで、誰もが気になるポイントは「どれだけの資産があれば実現できるのか」ということです。詳しくは「不動産投資でFIREは可能か? 必要な資産の目安」をご覧ください。


 Q. 不動産投資でFIREするためにはどう戦略を立てれば良いですか?

A. FIREを実現するためには、単に物件を購入・運用して家賃収入を得るだけでなく、長期的な視野と戦略的な思考が欠かせません。詳しくは「不動産投資でFIREを目指すための実現戦略」をご覧ください。

ライター:秦創平

海外も含めた不動産業界歴約12年を経て2019年からフリーランスのwebライターとして活動を開始。営業マン時代にはセミナー講師の経験も多数あり。国内・海外を問わず不動産投資に関する記事が専門。

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