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デリバリー専門店での集客方法は?開業で失敗しないためのポイント解説!

コロナ禍により外食産業は多大な影響を受け、中にはイートインをやめてデリバリー専門店に業態変更をする飲食店もあります。
しかし、実店舗がない場合は認知度も低く、口コミも拡散されにくいため、集客対策が大きな課題となります。今回は、デリバリー専門店での集客方法や開業で失敗しないためのポイントを紹介します。

ゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは、お客様が店内で飲食をすることをせずに、デリバリーで料理を提供するレストランのことです。テイクアウト対応が可能な店舗もあります。

関連記事:ゴーストレストランの開業に必要な資格と許可申請について

デリバリーの需要

コロナ禍により、全国の飲食店は時短営業や、営業の自粛を強いられ、コロナ禍前より徐々に伸びていたデリバリー参入が急激に加速化しました。その中で選ばれる店舗になり、より多くのお客様に注文いただくためにはどのようにすればよいのでしょうか。デリバリーの需要についてご紹介します。

●どんな立地で開業するのが良いのか
既存の飲食店がデリバリーを導入する場合、立地を選ぶことはできませんが、これからゴーストレストランを開業し、デリバリーに参入しようとしている場合は、一体どのような立地にあるゴーストレストランを選択すべきでしょうか。
現在のデリバリー業界では、Uberや出前館などの各種デリバリープラットフォームを利用して出店するのが主流です。
店舗の立地を選定する際には、プラットフォームの定められた配達範囲(拠点から半径1.5キロ〜半径5キロが平均)を必ず確認するようにしましょう。店舗からの商圏内に住んでいる人、会社で働いている人を分析し、客層を分析することも非常に重要です。平日と土日では条件がかわることもあるので、ご注意ください。

●どんなユーザーにニーズがあるのか
お客様がデリバリープラットフォームを利用し料理を注文する場合、店舗は手数料として売上の約35%を差し引かれるため、必然的に提供する料理の価格は高くなります。
安さを求める客層が特徴の立地よりも、食に利便性を求める客層が特徴の立地の方が向いていると言えるのではないでしょうか。また、エリアのほとんどが住宅街である場合もよく検討する必要があります。住宅街では、ファミリー、D I N K S、一人暮らし、など様々ですが、ファミリー層ではわざわざデリバリーを頼んで食べるという習慣はあまり多くありません(一部特殊な立地もあります)。
一人暮らしやD I N K Sの場合は、デリバリー需要があります。また、ビジネス街もチャンスが多い立地です。会議や打ち合わせなど大量注文が入る可能性も高く、1日に1件でも大量注文が入れば運営は安定するでしょう。
以上のことから、理想の立地とは、一人暮らしやDINKSの居住地とビジネス街が混在する立地、さらには高所得者層の住む立地が最も理想的と言えるでしょう。

より多くのお客様にきてもらうには?各種集客方法の解説

イートインの飲食店とデリバリーの集客方法は大きく異なる点があります。それはほとんどのデリバリー店舗がデリバリープラットフォームを介して集客しているということです。
イートイン店舗の場合、自店舗のホームページを設けたり、検索に出てきやすいように対策をします。
しかし、デリバリーの場合、ホームページを持ったとしても自社配達ができない限り、結局注文はデリバリープラットフォームを通すことになります。
そのため、デリバリー専門店でホームページを設けているお店はほとんどありません。
そのコストを支払うのであれば、プラットフォーム内の広告を活用した方が費用対効果が高いからです。
ここでは、デリバリー専門店のオンラインでの集客方法と、オフラインでの集客方法を紹介します。

デリバリー専門店の集客方法|オンライン

今ではもはやオンラインの集客方法が当たり前の時代になっています。基本的なオンラインでの集客方法を紹介します。

Google検索への最適化(MEO)

自店舗でのデリバリー参入においては非常に効果的です。すでに認知度のあるお店であれば、デリバリーを始めたことが認知されれば効果もすぐに出るでしょう。またテイクアウトも同様に、テイクアウト可能であることが認知されれば早期の効果が見込めます。MEO最適化の方法は、
・店舗の情報をしっかり登録すること
・キャンペーンなどの情報を定期的に更新すること
・口コミへは真摯に対応すること
などが有効と言われています。

SNSを活用した情報発信

今ではすっかり身近になったSNSですが、多数あるなかで全てを駆使するのは難しいと思っている方も多いでしょう。それぞれ特徴があるので、管理がしやすく、店舗のスタイルにあったものを上手にとりいれるといいのではないでしょうか。SNSの中でも、代表的なものを紹介します。

twitter

ひとつの投稿が140文字以内と文字数が限られていますが、その分気軽に発信できます。「只今混雑しているため新規注文不可となっていますが、〇時以降注文可能になります」など、リアルタイムな状況の発信が向いています。

instagram

インスタグラムの特性上、非常に写真のクオリティが求められますが、10代後半から20代を中心としたお客様に強いアプローチが可能です。店舗がUberなどに加盟していて、ビジネスアカウントであれば、プロフィール内に「料理を注文」の機能を設定することもできるので、直接集客につながります。

LINE

LINEは、アクティブユーザーが多いことが特徴です。「連絡手段はLINEがメイン」という方も多いのではないでしょうか。
LINE公式アカウントをもち、「友だち登録」をしてくれたお客様に対して情報発信をすることが可能です。1対1のチャット機能もついているので、細やかなコミュニケーションをとれることも特徴です。

HP作成

イートイン店舗があり、その場でデリバリーを行う場合、HPは非常に効果的です。しかし、デリバリー店舗のみの場合は、デリバリー店舗名で検索することはなかなかないため、前述の通りそのコストはプラットフォーム内の広告費に当てた方が効果的と思われます。

デリバリー代行サービスの活用

各種プラットフォームでは、そのお店の評判が分かるポイント制を設けている場合が多いので、加盟申し込み時にポイントのルールを確認しましょう。
例えばUberEatsの場合、ユーザーからある一定の基準を超える評価をもらうと「Uber厳選店舗」に選ばれます。これは非常に効果があり、ユーザーが見るページ内の上部に必ずUber厳選店舗として表示されます。つまり、目に留まる可能性が非常に高く、注文される確率も格段に増えます。こういった広告やキャンペーンは、各種プラットフォームが随時行っているので、無料のものはぜひ活用しましょう。このような集客施策やキャンペーンは月単位、週単位で変わっていくので、こまめに確認しておくことをおすすめします。

デリバリー専門店の集客方法|オフライン

デリバリー専門店はオンラインだけではなく、オフラインの集客方法も効果を見込めます。特徴的なオフラインの集客方法をご紹介します。

実店舗で告知する

人気店舗や、認知度の高い店舗であれば非常に効果的です。そもそも味を知ってもらっている事や、料理のメニュー構成などお客様が把握されていることは非常に大きな強みになります。コロナの影響も相まって、デリバリーを開始することも受け入れてもらいやすいでしょう。

チラシ・ポスティング

自店舗でのデリバリー開業の場合、来店されたお客様に告知ができるので、チラシ・ポスティングは状況次第で検討するといいでしょう。しかし、ゴーストレストランに参入した場合、チラシ・ポスティングは効果的です。
特に、同じゴーストレストラン内に入っている店舗同士で効力して一枚のチラシを作成し、テイクアウトも可能にすると、商品数の多さや、メニューの豊富さを伝えることができる非常に魅力のあるチラシになります。
デリバリープラットフォームを通さずに、テイクアウトのお客様も増える可能性も広がります。しかし、気をつけなければならない点は、エリアをしっかり決めることです。
デリバリープラットフォームの配達範囲外のエリアにポスティングしても効果は見込めません。

イベントに即したメニュー考案

各種デリバリープラットフォーム内でイベントを行っていますが、なかでも出前館はイベントの頻度が多いです。季節限定の食材を使ったフェアや、特定の食材を使ったフェアなど随時打ち出されます。
このような各種プラットフォームが打ち出すイベントや施策は、無料のものから有料のものまでありますので、自店舗のメニューやコンセプトに合ったイベントがあるときには積極的に参加することをおすすめします。しかし、こういったイベントは参加申請の締切期日が早い場合もありますので、「いつの間にか申請期間が終わっていて参加できなかった」などのチャンスロスがないようにしましょう。

リピーター向けにクーポンなどの検討

こちらも各種デリバリープラットフォーム内で常時設定可能になります。例えば、何回目の注文でいくら割引、いくら以上注文するといくら割引、一個頼むと同じ料理が一個無料でついてくる。などです。非常に効果的な広告宣伝となりますが、この費用負担はもちろん自店舗になるので、行う時期とタイミングはよく検討する必要があります。

オープンからすぐに集客を成功させ軌道に乗せるためには、認知度を上げる宣伝と、料理のクオリティ、メニューのラインナップが必要ですが、何よりもデリバリー業界の仕組みを理解することが近道であると思います。コストがいくらかかるのか、配達の仕組み、各種プラットフォームの特徴など、明確に理解するうちに抑えるべきポイントが見えてくるのではないでしょうか。

この記事の監修

井上大輔
飲食店経営/飲食店コンサルタント

1982年 香港生まれ
中央大学卒業後、京都で修行し帰京後は京都おばんざい料理店で3年間料理長を務める。
2020年に独立。白金台の住宅街に開業し、以降数店舗を経営。
培ったノウハウをもとに実践的なコンサルタントを行う。
また、専門の料理人がほぼ完成まで仕上げた料理を提供するシステムを開発し、飲食店の新しい潮流を生み出している。

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