贈与税(1)

贈与税(1)
  • 1. 暦年課税制度
  • 2. 住宅取得等資金の非課税制度
贈与税(2)
  • 3. 相続時精算課税制度
  • 4. 贈与税の確定申告の手続き

贈与税は、個人から原則として年間110万円を超える財産をもらった場合に、その財産をもらった人が課税される税金です。また、一定の財産については非課税となっており、香典や見舞金、扶養義務者からの生活費や教育費がそれにあたります。贈与税の体系をまとめると次のようになります。

課税方式 区分 内容
暦年課税 原則 1年間の贈与財産の合計が110万円を超える贈与を受けた場合には贈与税が課税されます。
配偶者控除 婚姻期間20年以上の配偶者から居住用不動産等の贈与を受けた場合には2,000万円の特別控除を基礎控除110万円の他に控除できます。
  住宅取得等資金の非課税制度 直系尊属から自己居住用不動産の取得資金の贈与を受けた場合、原則として平成29年契約締結分は700万円(良質な住宅は1,200万円)までの金額について贈与税が非課税となります。110万円の基礎控除または2,500万円の相続時精算課税の特別控除と併用できます。
相続時精算課税
一般 60歳以上の親又は祖父母が20歳以上の子供又は孫に2,500万円までの贈与を行っても贈与税の課税を行わず、贈与者の相続の際にその贈与財産を相続財産として取扱います。
親又は祖父母から住宅取得資金の贈与を受け、一定の住宅の取得等を行った場合には、2,500万円まで贈与税の課税を行わず、贈与者の相続の際にその贈与財産を相続財産として取扱います。一般の相続時精算課税と異なり、親や祖父母の年齢制限はありません。
住宅取得資金の特例

※住宅の新築等(贈与を受けた翌年3月15日までに新築等されるものに限る。)に先行して、その敷地の用に供される土地等を取得する場合における当該土地の取得資金を含む。

暦年課税制度

chapter 1暦年課税制度

(課税価格−基礎控除110万円)×税率−控除額=贈与税額
課税価格(110万円控除後) 一般の場合 20歳以上の直系卑属への贈与の場合
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 0万円 10% 0万円
200万円超 300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
300万円超 400万円以下 20% 25万円
400万円超 600万円以下 30% 65万円 20% 30万円
600万円超 1,000万円以下 40% 125万円 30% 90万円
1,000万円超 1,500万円以下 45% 175万円 40% 190万円
1,500万円超 3,000万円以下 50% 250万円 45% 265万円
3,000万円超 4,500万円以下 55% 400万円 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

chapter 2贈与税の配偶者控除の特例

通常年間110万円を超える財産の贈与を受けた場合には贈与税を納めなければなりません。しかし、結婚してから20年以上経過した夫婦間で自宅不動産または自宅不動産を購入するためのお金を贈与した場合には、110万円の基礎控除の他に配偶者控除として2,000万円まで控除が認められます。つまり、その年に他に贈与を受けなければ2,110万円までの贈与については贈与税がかからないことになります。この特例は税金が発生しない場合でも、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に所定の事項の記載した確定申告書を提出しなければなりません。
ただし、居住用不動産の贈与を行った場合には、不動産取得税などの課税が生じる場合があります。なお、平成28年1月1日以後のおしどり贈与の適用を受けるために申告書に添付すべき登記事項証明書が、居住用不動産を取得したことを証する書類に変更されました。つまり、所有権移転登記がなくとも、贈与契約書等の添付で適用が認められることになりました。

(課税価額−2,000万円−110万円)×税率−控除額=贈与税額

贈与税の配偶者控除のフローチャート

贈与税の配偶者控除のフローチャート

住宅取得等資金の非課税制度

父母や祖父母など直系尊属からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等のための住宅取得等資金を取得した場合において、一定の要件を満たすときは、平成33年12月31日までの間に直系尊属から贈与を受けた住宅取得等資金については、その住宅取得等資金のうち、原則として、住宅の取得等の契約締結が平成29年分の贈与についてこの制度の適用を受ける人は700万円(良質な住宅の場合は1,200万円)までの金額について、贈与税が非課税となります。110万円の基礎控除または2,500万円の相続時精算課税の特別控除との併用も可能です。

chapter 1非課税限度額

住宅の取得等の契約締結期間 消費税率10%が適用される方 左記以外の方※1
良質な住宅 左記以外の一般住宅 良質な住宅 左記以外の一般住宅
平成27年以前 1,500万円 1,000万円
平成28年1月〜平成31年3月 1,200万円 700万円
平成31年4月〜平成32年3月 3,000万円 2,500万円
平成32年4月〜平成33年3月 1,500万円 1,000万円 1,000万円 500万円
平成33年4月〜平成33年12月 1,200万円 700万円 800万円 300万円

※1. 消費税率5%及び8%の適用を受けて住宅を取得等した方等や個人間売買により中古住宅を取得等した消費税が課税されていない方。

※2. 東日本大震災の被災者に適用される非課税限度額は以下のとおりです。

住宅の取得等の契約締結期間 消費税率10%が適用される方 左記以外の方※1
良質な住宅 左記以外の一般住宅 良質な住宅 左記以外の一般住宅
平成27年以前 1,500万円 1,000万円
平成28年1月〜平成31年3月
平成31年4月〜平成32年3月 3,000万円 2,500万円
平成32年4月〜平成33年12月 1,500万円 1,000万円

※3. 平成28年9月以前に「左記以外の方」欄の非課税限度額の適用を受けた方は、再度「消費税率10%が適用される方」欄の非課税限度額の適用を受けることが可能です。

chapter 2良質な住宅

「良質な住宅」とは、非課税枠の500万円加算の対象となる住宅で、次に掲げる要件を備えたことにつき、次のいずれかの証明書類の発行が行われたものをいいます。

区分 要件※4 証明書類※5 ※6
新築住宅

次のいずれかの住宅

  • ① 断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4以上の住宅等
  • ② 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物の住宅
  • ③ 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上の住宅
  • 住宅性能証明書
  • 建設住宅性能評価書の写し
  • 長期優良住宅認定通知書及び認定長期優良住宅建築証明書
  • 低炭素建築物新築等計画認定通知書及び認定低炭素住宅建築証明書
中古住宅
  • 住宅性能証明書
  • 既存住宅に係る建設住宅性能評価書の写し(耐震等級・免震建築物、高齢者等配慮対策等級(専用部分)のみ)
増改築等
  • 住宅性能証明書
  • 既存住宅に係る建設住宅性能評価書の写し (耐震等級・免震建築物、高齢者等配慮対策等級(専用部分)のみ)
  • ※4. 平成27年3月31日以前に住宅性能証明書若しくは設計住宅性能評価又は増改築等工事証明書の申請があった場合には、省エネルギー対策等級4の住宅も対象となります。
  • ※5. 証明書類は家屋等の取得時に発行後2年以内のものでなければなりません。
  • ※6. 住宅用の家屋の増改築等をした場合に、良質な住宅に適合させるための修繕等であることについての証明がされた「増改築等工事証明書」を、「住宅性能証明書」又は「建設住宅性能評価書の写し」に代えることができます。

chapter 3取得住宅の範囲

項目 要件 備考
床面積 50m²以上240m²以下※1 登記簿面積で判定
居住面積 2分の1以上が居住用  
築年数等

次のいずれかに該当すること

  • ① 経過年数基準:その取得の日以前20年以内(鉄骨・鉄筋コンクリート造等は25年以内)に建築されたものであること
  • ② 取得時耐震基準:取得日以前に売主より交付を受ける新耐震基準に適合する証明書(家屋の取得の日前2年以内に調査が終了した耐震基準適合証明書又は家屋の取得の日前2年以内に耐震等級が1〜3と評価された住宅性能評価書の写し、家屋の取得前2年以内に締結された既存住宅売買瑕疵保険付保証書、以下同じ)があるものであること
  • ③ 居住時耐震基準:平成26年4月1日以降に耐震基準に適合しない中古住宅を取得した場合において、取得時までに耐震改修工事の申請等を行い、贈与日の翌年3月15日までに耐震基準に適合する証明書が発行されていること

(1)登記簿で判定(2)住宅として使用されていたもの

経過年数基準を満たさない場合でも「地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅」と証明されたときは住宅取得等資金の非課税制度が適用できます。

※1. 東日本大震災被災者は240m²以下の制限はありません。

chapter 4増改築の範囲

項目 要件 備考
床面積 50m²以上240m²以下※1 登記簿面積で判定
居住面積 2分の1以上が居住用 居住用部分のみ対象
工事費用 増改築の工事費用が100万円以上のもの  
一定の工事 増改築等の工事が、自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、「一定の工事」に該当することにつき「建築確認済証」「検査済証」「増改築等工事証明書」より証明されたものであること。

「一定の工事」とは、次のいずれかの工事をいいます。

  • ① 増築、改築、建築基準法上の大規模の修繕又は大規模の模様替
  • ② マンションの場合で、床または階段・間仕切り壁・主要構造部である壁のいずれかのものの過半について行う修繕又は模様替
  • ③ 家屋の一室(居室・調理室・浴室・便所・洗面所・納戸・玄関・廊下のいずれか)の床又は壁の全部についての修繕又は模様替
  • ④ 一定の耐震改修工事
  • ⑤ 一定のバリアフリー改修工事
  • ⑥ 一定の省エネ改修工事
  • ⑦ 給排水管・雨水の浸入を防止する部分に係る修繕又は模様替(リフォーム工事瑕疵担保責任保険契約が締結されているものに限る)
  • ⑧ 「良質な住宅」(増改築等)の基準に適合させるための修繕又は模様替

※1. 東日本大震災被災者は240m²以下の制限はありません。

chapter 5受贈者の範囲

  • ① 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること。
  • ② 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること。
  • ③ 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること。
  • ④ 贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2,000万円以下であること。
  • ⑤ 贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得等資金の金額を充てて一定の住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること。
  • ⑥ 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること、又は、同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること。
  • ⑦ 自己の配偶者、親族などの一定の特別の関係がある方から住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築をしたものではないこと。
  • ※贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していない時は、非課税制度は適用されず、修正申告が必要となります。
  • ※住宅の新築等(住宅取得等資金の贈与を受けた翌年3月15日までに行われるものに限る。)に先行して、その敷地の用に供される土地等を取得する場合におけるその土地等の取得のための資金にも適用があります。

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