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不動産コラム/不動産に関するホットトピックスを解説いたします。

(2017年4月3日)

〜東急リバブル不動産鑑定士が見る〜 「平成29年 地価公示」

【市況・マーケット】

「平成29年地価公示」(平成29年1月1日時点の土地価格)が国土交通省より3月21日に発表されました。

【まとめ】

地方圏は住宅地、商業地ともに下落(下落幅は縮小)が続いているものの、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)は両用途とも上昇基調にあり、これらが牽引する形で全国の全用途平均は2年連続で上昇しました。

なお、住宅地の全国平均は、リーマンショック以降続いていた下落から脱し、9年ぶりに横ばいとなりました。

I.平成29年地価公示の概要

平成29年 住宅地(前年) 商業地(前年)
全国 ± 0.0%(△ 0.2%) + 1.4%(+ 0.9%)
三大都市圏 + 0.5%(+ 0.5%) + 3.3%(+ 2.9%)
東京圏 + 0.7%(+ 0.6%) + 3.1%(+ 2.7%)
大阪圏 ± 0.0%(+ 0.1%) + 4.1%(+ 3.3%)
名古屋圏 + 0.6%(+ 0.8%) + 2.5%(+ 2.7%)
地方圏 △ 0.4%(△ 0.7%) △ 0.1%(△ 0.5%)
  • 東京圏:東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県内の首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町村の区域
  • 大阪圏:大阪府、兵庫県、京都府、奈良県内近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域
  • 名古屋圏:愛知県、三重県内の中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域
  • 地方圏:三大都市圏を除く地域

・・・地価公示とは・・・

地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示(平成29年地価公示では、26,000地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。

※福島県においては、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示区域内の12地点で調査を休止しています。

U.トピックス

(1) 住宅地の上昇率トップは「宮城県仙台市若林区白萩町(標準地番号:若林-18)」

2015年末に地下鉄東西線が開業し交通利便性が高まったことで、住宅地としての需要が増え、上昇率が全国トップ(12.3%)となりました。

(2) 商業地の上昇率トップは「大阪府大阪市中央区道頓堀(標準地番号:大阪中央5-19)」

道頓堀1丁目(標準地番号:大阪中央5-19)が上昇率41.3%を示し全国トップとなりました。また、当地点だけではなく、上位5位までを大阪が独占しました。
訪日外国人客数の増加等によるホテルや店舗需要が依然として強く、大幅に地価を上昇させています。

(3)工業地の上昇率トップは「埼玉県入間市宮寺(標準地番号:入間9-1)」

2015年に埼玉県内全線で圏央道が開通し利便性が向上したことを受けて、上昇率が全国トップ(10.3%)となりました。またここ数年インターネットを介した通信販売等が急速に普及したこともあり、埼玉県に限らずIC周辺の物流施設適地は地価が上昇しています。

(4)好調を維持する銀座

東京都内の商業地の地価は堅調に推移していますが、その中でも銀座の上昇率が顕著で、都内の商業地における上昇率上位10地点のうち、7地点を占めております。
訪日外国人客数の増加に加え、松坂屋銀座店跡地を含む2つの街区内で進む再開発などの影響が価格上昇に大きく寄与しています。
なお、最も価格が高かったのは、銀座4丁目(標準地番号:中央5-22)で1平方メートルあたりの地価は、前年比+25.9%の5,050万円となり、昨年に続き過去最高を大幅に更新しました。

(5)被災地復興需要の収束傾向

宮城県・福島県などの被災地では復興需要により地価の上昇が続いておりますが、沿岸被災地は災害公営住宅の完成が進んだことで、一部地域を除いて上昇率の鈍化が顕著になりました。

(6)二極化の進行

全国平均では、全用途平均の変動率が2年連続でプラスとなりましたが、これは三大都市圏の寄与が大きく、地価の回復が全国に行き渡っている状況ではありません。
全47都道府県のうち、商業地では29県、住宅地では35道県が下落を示しており、地価推移は二極化が進行しております。

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