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市況・マーケット

~東急リバブル不動産鑑定士が見る~「平成28年 地価公示」

2016年4月1日

「平成28年地価公示」(平成28年1月1日時点の土地価格)が国土交通省より3月22日に発表されました。

【まとめ】

全国平均では、全用途平均が8年ぶりに上昇に転じ、リーマンショック後の地価下落に歯止めがかかりました。

特徴としては、三大都市圏(東京圏、大阪圏、名古屋圏)の住宅地・商業地は地価上昇が顕著であるのに対し、地方圏は住宅地・商業地ともに依然として下落基調(但し下落幅は縮小)にあることです。

今回の下げ止まりは、三大都市圏の上昇が地方圏の下落をカバーする形で実現されたものとなります。

I.平成28年地価公示の概要

平成28年 住宅地(前年) 商業地(前年)
全国 △ 0.2%(△ 0.4%) + 0.9%(± 0.0%)
三大都市圏 + 0.5%(+ 0.4%) + 2.9%(+ 1.8%)
東京圏 + 0.6%(+ 0.5%) + 2.7%(+ 2.0%)
大阪圏 + 0.1%(± 0.0%) + 3.3%(+ 1.5%)
名古屋圏 + 0.8%(+ 0.8%) + 2.7%(+ 1.4%)
地方圏 △ 0.7%(△ 1.1%) △ 0.5%(△ 1.4%)
東京圏:
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県内の首都圏整備法による既成市街地及び近郊整備地帯を含む市区町村の区域
大阪圏:
大阪府、兵庫県、京都府、奈良県内近畿圏整備法による既成都市区域及び近郊整備区域を含む市町村の区域
名古屋圏:
愛知県、三重県内の中部圏開発整備法による都市整備区域を含む市町村の区域
地方圏:
三大都市圏を除く地域

地価公示とは

地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が、適正な地価の形成に寄与するために、毎年1月1日時点における標準地の正常な価格を3月に公示(平成28年地価公示では、25,270地点で実施)するもので、社会・経済活動についての制度インフラとなっています。

※※ 福島県においては、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示区域内の15地点で調査を休止しています。

Ⅱ.トピックス

(1) 住宅地の上昇率トップは「北海道虻田郡倶知安町(標準地番号:倶知安-3)」

世界的にも有名なリゾート地の「ニセコ」では、訪日外国人客の別荘需要を見込んだ開発が相次いでおり、上記標準地は19.7%の上昇を示し、全国トップとなりました。

(2) 商業地の上昇率トップは「大阪府大阪市中央区心斎橋(標準地番号:大阪中央5-23)」

「爆買い」の中心地として有名な大阪の「心斎橋(上記標準地)」は上昇率45.1%を示し、全国トップとなりました。また、大阪市は全国の商業地の上昇率上位10位のうち6つを占めるなど上昇が目立っています。

(3) 訪日外国人客数の急増による地価の上昇

平成27年の訪日外国人客数は約1,973万人(前年比47.1%増)となり、過去最高を大幅に更新しました。
これにより主要都市の商業地では、店舗の売上が改善しテナント賃料が上昇したことで地価が押し上げられました。
また、ホテル需要拡大を見込んだ用地取得が積極的に行われたことも、地価上昇の一因となっています。

(4) 「銀座(標準地番号:中央5-22)」がバブル期の価格を更新

日本を代表する商業地である「銀座(上記標準地)」が1平方メートル当たり4,010万円となり、バブル期の価格を上回りました。

(5) リニアへの期待感

名古屋駅周辺は、2027年の開業を目指すリニア中央新幹線への期待感や大規模再開発により地価の上昇が顕著になっています。

(6) 二極化の進行

全国平均では、全用途平均が8年ぶりに上昇に転じましたが、これは三大都市圏の寄与が大きく、地価上昇が全国に行き渡っている状況ではありません。
全47都道府県のうち、商業地では31県、住宅地では37県が下落を示しており、3年連続の上昇となった中核都市等を除いては、未だに地価回復の兆しは見えない状況です。

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